【あんスタ】貴方へ死ぬほど綺麗な愛を。

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｢私、どんな瀬名さんでも大好きです｣

｢ありがとう。俺もだよぉ｣

｢瀬名さんがどんな人でも、世界があなたを許さなくても、私はあなただけを信じます。

私、瀬名さんが好きです。ずっと言えてなかった。やっと言えた｣

晴れやかな気持ちになる。


始まりはあの不穏な事件と言えど、あれ以来目立った被害はないし、何だか、得できた気分だ。

｢…ねぇ、A。俺ね、Aにずっと伝えなきゃいけなかったことがあるんだ｣

｢なんですか？｣

｢…Aは、どんな俺でも愛してくれるんだよね？｣

｢勿論、瀬名さんのこと、愛してますから！｣

彼は意を決したように口を開く。

　

　
｢あの時のストーカーは、俺だよ｣
　

　

一瞬、シン、と辺りが静まり返るも、乾いた部屋は、すぐに笑い声で満たされた。

｢ふふ…それが何だって言うんです？｣

｢…驚かないの？｣

｢驚きませんよ。だって私は瀬名さんを愛してますから｣

｢本当に？

俺が、Aの怯えた顔が見たくてストーカーしてても？俺に頼らせたくて怯えてるAに通りがかりを装って声をかけても？俺がAと二人っきりになるためだけに両親を殺しても？俺がAをライブで見て一目惚れしたからこんなことしたって言っても？

Aは引かない？引かないの？｣

彼がしてきた様々な悪行に、今までの私ならきっと震え上がり、泣き叫んでいたことだろう。

それでも今、私は一人じゃないから。
瀬名さんと、二人で生きていくって決めたから。

｢引きませんよ｣

そう言って、私は瀬名さんの首にそっと手を回す。

｢その代わり、私に瀬名さんの罪を半分背負わせてください。

二人で一緒になりましょう？ね？｣

｢A…そうだね。二人で幸せになろう。
ううん、幸せにさせてあげるよ。俺、約束するからね｣

数秒見つめあった後、どちらから言うともなくキスをした。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

寝静まった夜に、静かな機械のピ、ピ、という音だけが響く。

｢ごめんね…A。俺まだ、やったこと全部打ち明けてないんだ｣

彼が囁きかける先には、脳にいくつもの管の繋がれた少女がいる。

｢Aがずっとそばにいるために、これはしなきゃいけないことだから、許してくれるでしょ？

例え俺が、Aの脳を改造してても｣

恐ろしい言葉は、麻酔を打たれた少女には届かず、彼はそんな彼女を見て小さく笑う。

｢ずっとここで愛してあげるね、A｣

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