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「敬人くん……敬人く〜ん?起きて〜?
あは、私が最近寝かせなかったから眠いってことかぁ。じゃあ仕方ないな…
せっかく冥土の土産持ってきてあげたのに…あ、これは冗談じゃなくなっちゃうから敬人くん嫌がるなぁ。」
頑張って持ってきたのに、と彼女は残念そうな顔をして床に置かれた幾つもの袋を見やる。
「まぁでもっ、
これで敬人くんも私だけしか愛せなくなっちゃったし…一石二鳥?
うんうん!」
少女が一人で笑う隣で、少年はそっと体を起こす。
「あっ!敬人くん起きた〜!」
目を開けると、昔の頃のようにぱぁっとした花のような笑顔で笑うAがいた。
「突然でごめんね、敬人くんが寝てる間にみーんなの処刑終わらせて来たよ!
だから、これは冥土の土産。えへへ、敬人くん喜んでくれるかなーと思って持ってきたんだよ?重かったから、大変だったなぁ…。」
そう言ってニコニコ笑う彼女の頬には、誰かの血の飛沫であろう真っ赤な跡が着いていた。
「で、も…運んできたなら、町中で、誰かと会ってるはずじゃ…」
「私そんなへましないもの。裏道通って帰ってきたし、そこで姿を見られた人はみんな処刑してきたよ?
あ、もちろんその人たちに価値なんてないから土産にはしてないけどね?」
「じゃ、あ、その、さっきから言ってる、土産って言うのは…。」
「まだ分かってないの?その人たち、だよ」
じゃああの袋のなかに、俺の周りの人がみんな、アイツに殺されて、入ってるのか?
「仕方ないよね。敬人くんが悪いんだもん。私だけを見てくれなかった敬人くんが。」
やめろ、やめてくれ、その笑顔でもう俺を見るな、お前をもう見たくない、やめろ、
「ねぇ、こっち向いてよ!!」
これまでないほどに強く言われ、その驚きの反動で俺はアイツの方を見る。
「私はあんなに頑張ったの!敬人くんのために、敬人くんに私だけを見てもらうために、この手を汚して、色んな罪を被ったの!
もうそろそろ、私だけを愛してくれたっていいでしょ!?
こんな毎日、悲しいままだよ…もう、繰り返したくないよ…ねえ、そうだよね?」
何を、言っているんだ?
俺はお前にそんなことをほのめかすようなことも言ってないし、ましてや依頼なんてするはずもない。
なのに何故、アイツは俺を責めている?
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愛が止まらない人(プロフ) - 文学兎(三代目アカ)さん» コメントありがとうございます!書いていらしたんですか…是非見てみたいです。需要があると言って頂けて嬉しいです!時間が出来次第、作ってみようと思います! (2019年8月23日 8時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 長文失礼いたしました。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
文学兎(三代目アカ) - 愛が止まらない人さん» 初めまして、文学兎です!私は昔、文アルの○○してみたを書いて居ました。結果、反響は大きかった事を覚えています!需要は、とてもある事だと思いますので、貴方様の○○やってみたが私は見てみたいです。 (2019年8月22日 23時) (レス) id: 20bbbeb26f (このIDを非表示/違反報告)
愛が止まらない人(プロフ) - 零さん» こんばんは!(?)最高だなん言っていただいてありがとうございます!忍くんside頑張ります! (2019年3月29日 9時) (レス) id: 9082f6abc2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - こんばんは…(?)初めまして!小説、読ませていただきました!忍君…!( ☆∀☆)依存の蜜、最高でしたwできれば忍君sideを書いていただきたいです(´・ω・`)無茶なこと言ってすみません(`;ω;´) (2019年3月29日 3時) (レス) id: 87136d049a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛が止まらない人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年6月26日 21時