幸せな家族のはなし３ (ページ8)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:153,404 hit

［２－６］ページ8

翔side

何とか離れようとしながら数十秒。

俺も叔父さんに負けずに智にぃを呼んでいれば
何かを察知したのか、はたまた偶然か、
タイミングよく智にぃがこちらを向いた。

「あっ、叔父さん！」

「お！智！雅紀も和も！」

「あれっ、叔父さんだ！
どこに居たの？」

「ああ、潤！ずっと昼寝してたんだよ。笑
キッチンはもう見終えたか？」

「うん。凄くいいよ」

「なら良かった！」

「ぷ、はっ……！」

ようやく解放された俺はすぐに叔父さんから離れて
智にぃ達の方へ体を変える。

「んふふ。翔、また遊ばれてたの？」

智にぃが俺の頬を触ってから
「ちょっと赤いね」と笑う。

それから智にぃはご機嫌に抱きつく叔父さんを
流れるように受け止めて、さり気なく解いて。

「叔父さん、遊ぶのはいいけど
あんまり強くしないでやってよ。笑」

「いやぁ、ごめん！翔は真面目だからつい」

「ついってなに！」

「ほら、翔ってもうすっかり大人じゃん？
だからつい子供っぽいところが見たくて
弄りたくなるというか。笑」

「何その思考回路！」

「あ、それは俺も思うかも」

いや、共感しないで智にぃ……！

ふわふわ笑う叔父さんと
ふにゃふにゃ笑う智にぃ。

優しいオーラに包まれた2人は
波長が合うものの、たまに突拍子もないところで
意気投合するから恐ろしい。

「おっ、雅紀も痩せたか？
どれどれー」

「うわー！叔父さん苦しー！」

「んふふっ」

ああ、ほら。

標的が雅紀に……あれ？

これいつも見てる景色に似てるな。

「んむっ、叔父さん、強っ」

「ふふっ、まーさーきー♪」

……なるほど。

いつも双子にしてる雅紀の抱きつき癖は、
叔父さんのが移ったのか。

あ、そう思えば。

「おら和と潤もー♪」

「うおっ、ちょっと、叔父さん。笑」

「もう止めてよー。笑くふふっ」

うん。

和や潤の様子を見ても、叔父さんはちゃんと
力加減分かってくれてるんだな。笑