幸せな家族のはなし３ (ページ17)

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［４－４］ページ17

翔side

「智にぃも一緒に行こっ！」

「なんで。笑」

「いいから早くー！」

「ちょ、用意はっ？」

先程俺に向けたような顔をした和と
困ったように笑いながら嬉しそうに智にぃが
テラスから飛び出す。

「あの人たちはなにやってんの。笑」

「なになにー？
あっ、和また企んでるの？笑」

隣の雅紀も気づいたのか、2人を見つめながら
「あひゃっ♪」って楽しそうに笑う。

「翔、雅紀、ちょっとここ頼んだ～」

「はーい」

サラダを作ってくれている潤の手伝いへ
向かった叔父さんを見送ってから
俺と雅紀はオマール海老を取り皿へ分ける。

それから他に焼いた肉とか野菜も
らしくなるように盛り付けて。

「あっ、ちょっと和～？」

「んふふっ、なにー？早く行くよ♪」

ふと聞こえた企みを理解した智にぃの声と
和の柔らかい笑い声に雅紀と2人で顔を向ける。

見れば、体をよじる智にぃと
その腕に巻きついて歩く和。

2人が向かっているのは
紛れもなくプールの方向で。

静かにくすくすと笑いながら、
お互いを押し合って進んでいる。

まあ、そこからは
当然に。

「あふふっ」

「んふふ……こら、かぁずっ」

プール目前。

抵抗する智にぃを和が引っ張って、
その勢いと弾みのまま体勢を崩す。

最終的に空中でどちらも体を押し合って
見事2人して同じタイミングでプールにドボン。

バシャーン！！！

「ふははっ！落ちた落ちた。笑」

「あひゃー！
和ちゃんやっと髪乾いてたのに！笑」

傍観してた俺と雅紀はもちろん爆笑。

俺はさっき落とされた当事者だけど
これは笑っちゃうな。

特に今のは智にぃも和も
ほぼ同じポーズで行ったもん。笑

「あっ、深っ！」

「あははっ！」

俺のときとは違い、浮き輪もないプールは
智にぃや和には深くて顔しか出ていない。

和はさっき入って分かってるから
けたけた笑ってるけど、何も知らない智にぃは
必死に足で水をかいてて。笑

「マジで深い！」

「くふふっ♪」