幸せな家族のはなし３ (ページ14)

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［４］クッキングページ14

潤side

「よし。
おーい！そろそろ手伝って～！」

「はぁーい！」

智にぃの声掛けにプールで
きゃはきゃは遊んでいた和達が手を上げる。

それから雅紀にぃと和は一緒に
叔父さんが切ってくれた食材を焼いていって。

翔にぃは一旦着替えてから
すぐに食べれそうなものをお皿へ盛りつけ。

……つまみ食いしてたことは内緒にしてあげよう。

「じゃあ、俺キッチン行くね」

「あ、俺も行く」

「おー、頼んだ」

叔父さんに和達を頼んで
俺は智にぃとキッチンへ。

カウンターに置いていたパスタの材料を確認して
キッチンへ並べていく。

まずはトマトパスタから。

そのとき。

「よいっしょ、と」

隣の智にぃがスーパーで買い足してきたらしい
物凄くデカい魚をまな板に乗せていた。

「え……智にぃそれなに？」

「ん？鯛」

「さばくの？」

「ん。さばく」

「いやそんなに食えねーよ。笑」

「いいのー。絶対美味いから」

謎のドヤ顔を送られたあと、
智にぃは俺からそのデカい鯛へと目線を落とす。

いや、ドヤ顔なんかで
説得出来ませんから。

それから智にぃは真剣な顔で
さばく専用の包丁を鯛へと切り込んだ。

「……」

ほんと、相変わらず。

魚捌いてるときは
いつにも増して男前になるな。

真剣な目とか、魚を握る手とか、腕とか？

なんかそういうときに
力強さが出てるからかもしれない、なんて。

すげー子供みたいな感想だけど。笑

「うし、俺も作ろ」

俺だってそんな呑気に
智にぃを観察してる場合じゃない。

まな板を智にぃの隣へ置いて、
まずはトマトパスタに入れるベーコンや唐辛子、
それからモッツァレラチーズを切っていく。

それからスライスにんにくを出して
トマトソースに取り掛かりながら、
パスタを茹でる鍋を熱くして。

「っ！痛ッた……！」

「えっ、大丈夫？！」

たまに隣で血だらけの指を見せる智にぃに
ビックリしながらも絆創膏を渡してあげる。

もう。

智にぃは画家の世界じゃ有名らしいんだから、
ちゃんと手を大事にしてほしい。

まあ言ったところで「心配してくれてありがとう」
とかで笑うだけだから言わないけど。

「よし。次は～」

トマトパスタのソースの頃合いを見て
海鮮ペペロンチーノへと移っていく。

ちゃーんと茹でてるパスタの様子も見ながら、ね？