幸せな家族のはなし２ (ページ6)

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翔side

「いつからしんどかった？」

「だからもう大丈夫だってばー。寝たし。
ひとりでいいから雅紀にぃあっち行って」

応接間のソファーでお互い向き合いながら
押し問答を繰り返している和と雅紀。

雅紀は顔色を確かめながら、
和は強がって目線を合わせない。

今から1時間前の20時。

雅紀によれば、和は学校から帰ってきて
その時間に俺が帰ってくるまでずっと寝てたらしい。

それから現在の30分前に目を覚まして
和は周りを見てそれは苦い顔をしていた。

きっと智にぃは潤に付きっきりでいないからと
油断して寝落ちたらこんな時間になってた……

そんなところだと思う。

当然、俺より早く帰ってきてる雅紀は
和の様態に気づいていた。

まあこんな時間まであれだけ寝るなんて
体調が良くないって分かるんだけど。

「はい体温計」

「それあるなら潤のところ行ったげてよ。
俺なんかいいから、潤に持って行って」

「だから潤は智にぃに任せてるからいーの。
ほら、早く測ってくださーい」

「ちょっと、もうっ」

「あ、こら、手ぇどけろ！」

「雅紀にぃは嫌！離せっ……翔にぃっ！」

雅紀に無理矢理、体温計を測られそうになって
様子を見ていただけの俺に助けを求める和。

そろそろ助けてやるか。

和も雅紀も。笑

椅子から腰を上げて
応接間のソファーへ向かう。

それからソファーに座る和の前で
膝立ちするようにしゃがんで、おでこに触れた。