幸せな家族のはなし２ (ページ5)

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智side

「美味しい」

「んふ。よかった」

ふわりと笑った潤は熱のせいかいつもより
表情が柔らかい。

それから次へ次へとうどんを食べていって
かなり減ったところで潤の手が止まった。

「ねぇ智にぃ」

「ん？」

「あのさ、実は寝る前に
言いたかったことがあったんだけど」

「なに？」

少し思い出すように視線を逸らしてから
また合う目。

「和も、多分体調悪いと思う」

「和？」

「うん。保健室に来てくれたとき。
いつもより目うるうるして、ボーッとしてた」

潤の言葉に、さすが双子だと
驚きと面白さが胸の中で芽生える。

やっぱり潤も気づいてたのか～

「智にぃ？」

「んふふっ、大丈夫。
今ね、翔と雅紀が和のこと甘やかしてるから」

家に帰ってきてから、
潤に付きっきりだった俺。

だから気づくのは遅かったけど
その分ふたりの兄ちゃんはすぐ察知したらしい。

さっきの言い合いも
和を休ませるうんぬんだろうし。

「だから、潤は自分の心配ね？
今日は俺がずっといるから。休もう」

「……分かった」

和への心配を残してか、
渋々頷いた潤の頭を撫でてやって
うどんを食べるのを再開させる。

それから潤は、もともと多くなかったけれど
うどんを見事に完食。

発熱の薬も飲ませて、寝転んだ潤のお腹を
トントンと叩いてやればすぐに眠りについた。

和、ちゃんと甘えれてるかな～。

見たところ潤と同じで環境の変化とか
季節の変わり目からの熱だと思うけど。

まあ翔と雅紀がいるから大丈夫かな。

だから俺は潤を沢山甘やかしてやらないと。

頑張ってる部活を応援するためにも、
早く治るようにしっかりサポートしなくちゃね。