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気をつけて。 ページ1

貴女が好きです。

「A殿、今回の策ですが、火計で攻めていきたいので注意して進んでくださいね?その他の指揮は貴女に任せます。」
「わかりました荀彧殿。必ず勝利へ導いてみせます。」
礼をしてA殿は去っていった。悲しそうな目で彼女を見た。
本当は貴女を戦に出したくはなかった。ですが貴女は女性でありながらも自ら民のために戦に出たいと言い曹操殿がそれを受け入れた。私は必死で反対した。別に付き合っているわけではないがどうしても気になったのだ。これが恋愛感情なのかは私には分からない。だか彼女、Aだけは大切にしたいと思った。

戦が始まった。戦況はかなり優勢だ。
だからこそ油断はできない。
私はいつも通り冷静さを保ちながら兵に指示を出した。だが今回の指揮はA殿に任せているからあまり指示できない。
順調だった。火計も成功した。全て上手くいくと思っていた。その時、敵軍の異変に気がついた。援軍が来たのだ。
戦場にいる味方は全員混乱しているなか一人で敵本陣に突っ込んでいく愚か者がいた。
「A殿!」
あれほど注意してと言ったのに!
なぜ、なぜです。
私は直ぐに馬で走りA殿に伝えた。「撤退だ」と。A殿は今にも涙が出そうになるのを堪えて戻った。

撤退した次の日A殿を部屋へ呼んだ。
「なぜ、あの様な無謀な事をしたのですか」
「………。」
A殿は答えなかった。私は苛立ちを覚えた。
「いけませんね…」
私はA殿に詰め寄った。
「もう一度聞きます。なぜ、あの様な事を?」
「っ…私は荀彧殿に言いました。必ず勝利へ導くと。褒めてもらいたかったのです。荀彧殿、貴方に!」
私は驚きました。それだけのために、私に褒めてもらうためだけに本陣へ突っ込んだことに。
「私は荀彧殿がずっと好きでした。誰よりも貴方の事をずっと見てきたつもりです。ですが荀彧殿に気付いてもらえませんでした。ですから戦で勝利し褒めてもらい、ちゃんと荀彧殿の事が好きですと告白しようと心の中で決めていました。それだけです。すみません、私の事なんて嫌いですよね。戦でこんな事決めて戦うなんて……それでは私、失礼します。」
A殿逃げるように小走りで去ろうとしました。それを私は止め、A殿を抱きしめました
「私が、そんな事で嫌いになるとでも思いましたか?私は初めて貴女を見た時から一目惚れでした。これからも私のそばにいて下さい。」
A殿は小さく返事し、私は彼女に口付けをした。

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作者名:夜叉 | 作成日時:2015年3月21日 23時

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