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示されたダイニングテーブルには椅子が二つしかない。
椅子に座ると、必然的に、もう一人の男と向かい合わせになった。


「少しお待ちください」


少年は、そう言ってからしばらくすると、もう一つ古びた椅子を持ってきて、ダイニングテーブルの前においた。
正方形のテーブルを、コの字型で囲うようにして3人が座った。


少年は、白い陶器のポットを手に取ったあと、ティーカップをそれぞれの前に並べる。
そして、そこに注ぎ始めた茶の色は、透き通った赤色をしていた。



「変わったお茶しかなかったんです、お気に召さなかったらすみませんね。」


そう言われて俺はティーカップを手に取った。
なんだか少年は、意外に悪いことを考えていないのかもしれない。
逆に、ここまでこちらが何も話していないのは失礼なのではないか。
そう思って、

「なんという名前のお茶なんですか?」

と聞いた。


「ローズヒップティーといいます。甘いものが好きでよく飲んでるんですよ。」


彼は、嬉しそうな顔でそう答えたあと「ローズヒップティー」を啜ったので、俺も試しに口に含んでみた。


確かに、彼が言った通り甘い香りが強烈にしたが、残った茶の味がバランスをとっているようで、とても口当たりが良かった。

「お気に召しました?」

ニヤッとして俺に聞くその目は、また一段と無邪気に感じられる。


「美味しいです」

もう一人の男もそう言った。


「そういえば、自己紹介がまだでしたね、僕は…本名はまだ言えないんですが、、とりあえず今は『ヤビ』と呼んでください」


少年が挨拶をしたあと、

「じゃあ次俺ですかね、」

と、もう一人の男がつぶやいた。


「宮下道朗っていいます、会社員です」


彼は先ほどから、少し根暗な表情を見せている。
そんなところから、大まかな性格は伺えた。


「あ、俺は赤川充っていいます、よろしく」


そう言ったあと、俺は「何がよろしくなんだ?」と自らの発言に疑問を持ったが、二人は何も気にしていない様子だった。

続→←ガガガガい 本編4ローズヒップティー



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川川わらび - 暁さん、コメントありがとうございます!そう言っていただけたのは初めてなので、大変嬉しい思いです。更新ペースはあまり良くないかもしれませんが、気が向いた時にいつでも読んで頂ければと思います! (2020年11月3日 13時) (レス) id: c7e5b74a91 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 是非いつか合作など、一緒にして頂きたいものです。貴方の様な作者様の作品が、有名になられることを願います。頑張って下さい! (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 私も最近占ツクで書き始めた者なのですけれど、ここまで小説に寄せられている作品を見るのは久しぶりです。これからの活躍を期待して、お気に入り登録と、高評価の方、押させて頂きました。 (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:川川わらび | 作成日時:2020年10月31日 0時

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