続 ページ34
まず二人のうちの一人、永島智は、僕が仕掛けておいた睡眠薬を他の誰かが誤って飲んでしまった可能性が高い。
僕の監視用小型カメラの映像を見ると、彼と一緒にいることの多い「ミホ」と呼ばれる女子高生が飲んだのだろう。
僕は彼しか飲むはずのない水筒の液体の中に睡眠薬を忍ばせたが、(もちろん、僕自身ではなく、僕が作った小型カメラと遠隔操作型ロボットを使用して。)
あの「ミホ」という女子高生が、誰もいない教室で永島智の水筒に口をつけるところを、カメラが捉えていた。
つぎに、大川翔也。
彼だけは少し特殊な細工をした洗脳機械を忍ばせ、自らの足を運んで僕の元へ来ることを命令したはずだが、なんらかの事故によって記憶を無くしてしまっているようだ。
その事故というのも、また僕の監視用カメラが綺麗に捉えていたが、大して大きな怪我は無いように見えて、よりにもよって僕が命令した内容が、ごっそりと記憶として抜けてしまっていた。
さて、それぞれどう捕獲すべきか。
今からあの強力な睡眠薬を作るのは困難だし、材料も足りていない。
できれば、彼らのために使った睡眠薬と洗脳機械を無駄にしないように捕獲したい。
しかし、あの「ミホ」という女子高生は、あの薬を飲んで気絶したりしただろうか。
最低でも、10時間以上は眠ってしまう薬だ。
永島智に忍ばせた監視用カメラを見ると、畳の部屋に彼女が寝そべり、永島智と会話をしているところも映されているが、あの薬を飲んだとして、あんなに早く起きるはずがないのだ。
カメラには映っていないところで、睡眠薬が混ぜられた水を吐き出したのだろうか。
いや、しかし口に含んだあとしっかり飲み込んでいるのも映っている。
となると、僕が作った薬のうち、たまたまその薬だけが失敗作だった可能性だってある。
そうでなければあの「ミホ」という女子高生に秘密があるはずだ。
しかし、大川翔也の件に関しては、記憶が戻るのを待てば良いだけだ。
記憶が戻ったとすれば、僕の方にある操縦機械で指令を出し、永島智の捕獲だってできる。
捕獲の方法には迷うが、何か方法を考えれば、意外と容易いものかもしれない。
ただ、彼がその記憶を取り戻すのに多くの時間を要することを考えれば、捕獲済みの宮下道朗と赤川充には何日間か食事を与えなければいけない事になる。
こうなることは予想もしていなかったが、仕方ない、一度捕獲済みの二人を部屋から出す事にしよう。
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川川わらび - 暁さん、コメントありがとうございます!そう言っていただけたのは初めてなので、大変嬉しい思いです。更新ペースはあまり良くないかもしれませんが、気が向いた時にいつでも読んで頂ければと思います! (2020年11月3日 13時) (レス) id: c7e5b74a91 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 是非いつか合作など、一緒にして頂きたいものです。貴方の様な作者様の作品が、有名になられることを願います。頑張って下さい! (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 私も最近占ツクで書き始めた者なのですけれど、ここまで小説に寄せられている作品を見るのは久しぶりです。これからの活躍を期待して、お気に入り登録と、高評価の方、押させて頂きました。 (2020年11月3日 9時) (レス) id: 8896c28c37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:川川わらび | 作成日時:2020年10月31日 0時