君と私の宝物② 《Jungkook》 (ページ20)

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少しの過去の話ページ20

ジョングク side

待機室にユンギヒョンが来て、説教された。

あんなに真剣な顔で俺と仲良くなりたいなんて言われたら、頑なに壁作ってたのがアホらしくなった。

俺は大事な人を作るのが怖い。いつ失うかわからないから。

失くすくらいなら始めからなくていい。

、、、そう思ってた。

でも違っていたのかもしれない。

防弾少年団_____________________

それは俺の憧れだった。

中学生の頃。俺はこの顔のせいで、酷い目にあった。

『ジョングク君かわいい～～♡』

『ねぇジョングク君♡おねぇさんと遊びに行かない？♡』

なんて中学生の俺に女が寄ってたかってきた。

代わりに男には

『あいつ女みたいな顔してキモくね？』

『女に媚び売ってむかつくわ～』

なんて今思えば僻みのような言葉を浴びせられた。

その上、もともと人見知りだった俺は人と関わるのをやめた。

もう毎日がつまらなくて、くだらない。なんのために人間やってんだろなんて、学校行かずにふらふら街を歩くことが増えた。

親なんて仕事で家にいない。叱る人もいない。

そんな時。ストリートで踊って歌う彼らにあった。

そう、防弾少年団だ。

誰も見ていない。誰も立ち止まらない。それなのに楽しそうで、キラキラしていて、、、

あぁ、なんだこの気持ち、、

気づいたら俺は泣いていた。あんな風になりたい。そう思った。

それから今までしてこなかった勉強をした。ジンヒョン達がいる高校に入った。それでも人見知りで、自分に自信がない俺は、防弾少年団に声をかけることはできなかった。

ただ、見ていた。

でも見ているだけじゃいられなくなって、1人でこっそり練習した。

初めはうまく行かないことも多かった。何度も転んだ。怪我もした。

それでも練習すればするほど上手くなった。その分自分がすごくなった気がした。楽しかった。

ある時からストリートで踊るようになった。帽子を深くかぶって、顔を見えないようにして。

初めは誰も立ち止まってくれなかった。でも毎日踊っているうちにだんだん人が集まっていった。

まぁその頃には防弾少年団は手の届かないすごい存在になっていた。

あぁ、俺はなんで声をかけなかった？防弾少年団になりたいんじゃないのか？って、すごく後悔した。

でも俺なんかが、、なんて思う自分もまだいた。

そんな気持ちを閉じ込めるように、練習した。ひたすら練習した。歌だって歌うようになった。