出来ない(宮地side) ページ37
あの日の様に・・
俺はAをキッチンで後ろから抱きしめた。
泡だらけになっている手を洗わせ俺の方を向かせる。
そっと重ねた唇を合図に・・
その勢いはどんどんと増した。
このまま行っても平気か・・?
自分の中ですげー考え始めた俺は・・
その自分の手をAの腰の辺りでもぞもぞさせていた。
you 「宮地・・くすぐったい・・(笑)」
その表情は穏やかで・・
あの日・・
突然震えだしたあの面影はない。
寧ろ・・
俺の方があの日の事を思い出していた。
とても鮮明に__
そんな自分の考えを振り払う様に何度もキスをして・・
そのキスを首元まで下ろした時・・
俺は[俺]の異変に気付いた。
あの頃は・・
もうこの時点で・・
俺の[俺]はやばかった。
でも・・
全然反応がない。
『・・たたない?』
変な汗が背中をつたった。
いや・・
大丈夫だ・・
こんなにも思っていた女なんだぞ?
すげー欲しいのに・・
そう思いながら・・
キスをどんどん下へと下ろして・・
自分の手をAの腿のあたりへ這わせた時・・
俺はそれを確信した。
『だめだ・・たたねぇ・・』
まじかよ・・
でもそんな事Aに知られたら・・
変な方へ思いこんじまうかも。
宮地 「わりぃ・・急ぎ過ぎだな・・ごめんな」
・・実際
さっきまでのAとは違い・・
若干ではあるが震えていた。
でもその震えは・・
you 「大丈夫・・でも・・ありがとう、宮地」
Aの言う通り大丈夫なんだろうと思う。
もしかしたらもっと進んだら・・
もっと怖がるかもしれねーけど・・
それを受け止める覚悟位俺には出来ていたはずだ。
じゃなきゃ抱きたいなって思わねーのに・・
俺自身が・・
あの日のあいつを思いだして・・
完全にフリーズしてやがる。
宮地 「今日はこれで帰るわ。今度ゆっくり俺の家に泊りに来い。待ってるから」
そう言って俺はこの場を誤魔化した。
you 「うん・・ありがと。またね」
玄関で軽くキスを交わして・・
俺はAの部屋を早々に後にした。
Aの部屋が見えなくなった路地に・・
俺は思わず座りこんだ。
まさかこんな事になるなんて・・
どうすりゃいいんだ俺。
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ハル - 久しぶりに読んでも泣けました。asakoさんの紡ぐ物語はホントに素晴らしいです。ありがとうございました! (2019年12月19日 16時) (レス) id: 514c365f9c (このIDを非表示/違反報告)
asako(プロフ) - cocoさん» cocoさん、コメありがとうございます(*^_^*)そう言って頂けると作者は本当に嬉しいです。励みになります! (2015年5月8日 9時) (レス) id: 92c12475fe (このIDを非表示/違反報告)
asako(プロフ) - るなさん» るなさん、コメありがとうございます(*^_^*)少しでも心に残る作品に仕上がっていたのなら嬉しいです! (2015年5月8日 9時) (レス) id: 92c12475fe (このIDを非表示/違反報告)
coco - とても面白かったです!!!感動しました(泣) (2015年5月8日 6時) (レス) id: a809835030 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - すごく、すごくよかったです(泣)もうほんと読みながら涙出てきました!!(泣)とっても面白かったです!!!!ありがとうございます!これからも頑張ってください応援してます!(*`・ω・´) (2015年3月14日 8時) (レス) id: 95a0cc4dfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:asako | 作成日時:2014年8月28日 22時