春霞３【宮地清志】

心臓が痛い ページ15

浅川 「・・おい。お前自己紹介も出来ねーのか？」




鬼の形相の浅川さんに横腹を突かれた私・・




you 「すっ・・すみません。私は天音Aと言います。本日はありがとうございます」




慌てて自己紹介をした。




そんな私を見た森川部長は・・




森川 「練習試合とは言え、面白い試合になると思うから、楽しんでいってくれな」




にっこり笑ってそう言うと・・




何やら楽しそうに三坂部長と話しを始めた。




浅川 「香さん、ここ座ってください。で・・お前も早く座れ」




で・・お前も・・とか




扱いにものすごーく差があるのは・・




まぁ仕方がないか・・(笑)




香 「あっ・・選手の方が来たわよ！ほらっ」




・・ああこの感じ




凄く懐かしい。




高校の時、宮地の試合を見に行って・・




ああやってコートに入ってくる姿を見るのが好きだった。




そう・・




ああやって肩をまわしながら入って・・




you 「・・・」




香 「きーちゃん？どうかしたの？」




香さんの声が遠くに聞こえる・・




今・・




目の前にある光景は現実だろうか・・？




竹内 「宮地君っ！今日は沢山お得意様がいらしてるの、ぜーったい勝ってよ！」




宮地 「あはは・・相変わらずっすね。もちろん勝ちますよ。見ててください」




・・宮地




宮地だ・・




元気そう・・




今もバスケしてるんだ。




高校の時よりずっと・・




大学のあの頃よりもっと・・




もっと素敵になって・・




・・彼女も・・出来たんだ




ﾓﾌﾞ部員 「ったく・・試合前に見せつけんなよな！宮！」




宮地 「はぁ！？何言ってんだ、轢くぞ！あほ！」




・・良かった




幸せ・・なんだね。




竹内 「とにかく・・サクッと勝って、打ち上げでガンガン飲もう！」




宮地 「・・どんだけ飲む気なんすか・・ったく。
って・・あぶねーから、上行ってください。ほらほら・・」




優しいその瞳を・・




向ける相手がいるんだね。




you 「・・よかった。幸せになってくれてた」




浅川 「・・天音？」




・・帰らなきゃ




宮地に見つかる前に。




あの幸せに水をさす様な事をしちゃいけない。




ﾓﾌﾞ部員 「おっ！あそこにいるの森川部長じゃん！おーいっ部長！勝ったらビールっすよ！」




その声につられて彼女の背中を押している宮地がこちらを見た。




ああ・・




・・心臓が




張り裂けそうなほど・・痛い＿＿

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