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    伍 ページ36

「.....牛黄」


「はい、牛黄です。
壬氏さま、おっしゃっていたでしょう?事件の謎を調べたら牛黄をくださると」




なぜかぷるぷると震え出す壬氏。




「そういえば受け取ってないと、言わなきゃと思っていたんです。だから、その、牛黄ください」



壬氏は何も言わない。目を瞑り、気難しそうに眉根を寄せている。



「...?壬氏さ」

ま、というが早いか、Aの額にごん、と衝撃が走る。



壬氏が頭突きしてきたのだ。流石に手加減はしてくれたようで、こぶができるほどではないが、痛いものは痛い。


「っ何するんですか!やめてください、顔に傷をつけたら婆ちゃ__やり手と小姐に怒られるんです!」


額を手で押さえながら、Aは抗議する。



「まさか牛黄、用意してないとか」


「しっ、失礼なことを言うな!」



食い気味の壬氏と一瞬目が合うも、すぐに弾かれるように逸らされる。





「全く.......」





怒ったような恥ずかしがっているかのような顔で壬氏はそう呟くのだが、それがなぜなのかAにはわかる由もない。







ただ、





「ねーA、最近壬氏さま体調崩されたりしてるの?」


「そんなことないと思うけれど、どうして?」


「なんかねー、あちこちから珍しい薬やら薬草やらを買い漁っているんだって」





なる話を後日小蘭から聞いて、察するところはあるわけで。



(いつでも手に入ると思って、買い損ねたといったところかな)





気長に待つしかないわね、とAは空を仰ぐのだった。

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(プロフ) - めうさん» ありがとうございます。のんびり更新になりますが、楽しんでいただけると幸いです。 (3月27日 20時) (レス) id: 9196073726 (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - とっても面白くて一気見してしまいました!続き楽しみにしてます! (3月22日 21時) (レス) id: 3ab55db304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月16日 18時

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