肆 ページ4
わからない。
なぜ、
(なぜ私は正座させられているんだろう....)
Aは冷汗をかいた。
前に李白さまに頼んで里帰りした時もこんな感じになったような。
「...何をしていたのだ、あそこで」
単刀直入に壬氏が聞いてくる。
険悪な顔をして、低い声で。
「何というか、私的な相談を受けておりましたが」
「じゃあなんであの男はあんな格好を?」
(誤解のないよう言っておかないと)
Aは正座しながら膝の上でしっかり拳を握る。
「何一つやましいことはありません!ただ、じっくり見ていただけです!」
その言葉に壬氏が頭を抱えた。
高順は何も聞いていないかのように窓の外を眺めている。
「...ただ、じっくり」
「はい」
「なんのために?」
「好みの体か、調べるためです!」
壬氏は雷がいきなり落ちてきたような顔をした。
___白鈴小姐は色欲も強いが、同時に母性も強い。
小さいころからずっと
それはAが成長してからも同じで、Aの舞の才能を見込んで暇なときに手ほどきしてくれた。
多少の悪戯はあったが、それはご愛嬌である。
だから、Aはこの先どうなるにしろ、小姐の満足のいくものであってほしい。
李白さまなら惚れた女のために出世しようという気概もある。
根は真面目そうだし一途だろう。
何より、
(李白さまには小姐を満足させられるだけの体力がある)
「好みの身体...」
壬氏ががくんとうなだれている。
「はい、見た目は一要素にすぎませんが好みであることに越したことはありませんから」
「...見た目も大事か」
「それなりに」
(壬氏さまが言うともやっとするわ)
Aは少しだけ顔をしかめた。
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泉(プロフ) - めうさん» ありがとうございます。のんびり更新になりますが、楽しんでいただけると幸いです。 (3月27日 20時) (レス) id: 9196073726 (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - とっても面白くて一気見してしまいました!続き楽しみにしてます! (3月22日 21時) (レス) id: 3ab55db304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉 | 作成日時:2024年2月16日 18時