爪紅 壱 ページ17
_______________
_____退屈だ。
退屈、極まりない。
宴など何が面白いものか。
退屈な音楽、退屈な食事。
「あれが新しい淑妃の楼蘭妃か」
「着るものばかり派手と聞いたが、いやいや」
「梨花妃と並んでも遜色ないではないか」
「四夫人そろっていないのが残念だ」
......退屈な会話。
妃の美しさなどよくわからない。
どれも豪奢な服を着た"碁石"だ。
ああ、妃の一人が爪を赤く染めているのが見える。
爪紅...
記憶に残る爪紅はあんなにけばけばしい赤じゃない。
うっすら染まり、その指先に駒を持つ___...
「失礼いたします。
壬氏さま付きの下女・Aが羅漢さまをお呼びなのですが」
ほう、
(ようやくこちらの挑発に乗ったか)
「あの子が私に何の用だろうね。すぐ行くと伝えてくれ」
「____お相手、願えますでしょうか」
ああ、あの爪だ。
鳳仙花と片喰で染めた、
彼女と同じ____
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泉(プロフ) - めうさん» ありがとうございます。のんびり更新になりますが、楽しんでいただけると幸いです。 (3月27日 20時) (レス) id: 9196073726 (このIDを非表示/違反報告)
めう(プロフ) - とっても面白くて一気見してしまいました!続き楽しみにしてます! (3月22日 21時) (レス) id: 3ab55db304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉 | 作成日時:2024年2月16日 18時