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A「翔ちゃん高いところ苦手だよね？大丈夫？」
翔「んー」
嘘だ。
本当はすごく怖い。
でもそんな格好悪いこと言えない。
だからなるべく遠くの景色を見て
誤魔化していた。
A「翔ちゃんママと、うちのママと…四人で乗ったの覚えてる？」
翔「…覚えてるよ…」
まだ元気だったAのお母さんとうちの母さん
四人で乗ったこの観覧車。
まだ小さかった潤はお家で智君と留守番、
和也はその日風邪ひいて来れなくて、
四人で乗った…
母さん達は隣同士に座って、
俺とAが隣に座った。
「この間ね、翔はママと結婚するんだよね？って聞いたら、僕はAちゃんと結婚したいって」
「Aも大きくなったら翔ちゃんと結婚するの−って言ってたよ？」
母さん同士がそうやって話しているのを
向かいの場所から二人で見つめていた。
そして「どれが一番楽しかった？」って言い合って…
あれはまだ小学校に上がる前だった気がする。
Aはおばけやしき、俺はゴーカートって答えて
「もう一回行けるかな？」なんて言ってたら
急に母さんから
「翔は誰と結婚するんだっけ？」って聞かれたから…
翔「Aちゃんと結婚するー！Aちゃんのお母さん、ダメ？」
A母「Aは翔ちゃんと結婚したい？嫌だったらいいよ？」
A「Aねー翔ちゃんと結婚したい！」
翔「やったー」
翔母「じゃぁ翔、Aを守れる強い男になんなくちゃね。頼むよ」
翔「うん！」
A母「翔ちゃんにだったらいいよーあげる、あげる。よかったねA？」
A「うん！」
そんな会話をしたのが
丁度この観覧車の中だった。
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作者名：砂希流
| 作成日時：2019年1月21日 22時
