１・同級生との再会 ページ1
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来るか、来ないか、
行くか、行かないか、
本当は内心
いろんなことにドキドキしてた。
君と俺の原点だった
高校の同窓会。
「二宮！お前すげーよな、音楽聴いてるよ。」
グループ組んで音楽やって
メジャーデビューして、
やっと名前も顔も知られるようになった。
同窓会に顔を出すのは正直すごく迷ったけど、
昔の仲間と会ってふざけあいたいのと
何か音楽に反映出来ることがないか
ネタを探しに来た。
「あ、あれ…Aじゃん。そういえばお前らあの頃付き合ってたよな？」
「……あぁ、まぁな。」
遠くに君の姿を見つけた友達が俺の肩を抱き、
大きめの声で話す。
友達の声がAにも聞こえたのか、
顔を上げたAは…
友達の隣にいる俺と目があった。
息を飲むAの顔
俺の周りのやつらも一緒にAを見たから
周りの視線が全部Aに注がれ、
Aは思わず目を逸らした。
部屋の端に佇むA。
俺の肩を抱く友達を振り払って、歩き出す俺。
「ちょっと来て。」
そう言って、Aの手を取って
店の外に連れ出した。
全員の視線を一気に集めて、
そんなドラマみたいなことするから
周りはみんな「歌手の熱愛だ」「復活愛だ」と冷やかし、
店内は一気に騒がしくなった。
所詮いい歳した酔っ払い、
人差し指を自分の唇に当てて
「しー」とキメ顔で返してやると、
「かっこいいなあいつ」って
ふざける友達と黄色い声を上げる女子。
きっと俺の知らないところで
人の恋路に尾ひれはひれつけて、
酒のつまみにして楽しむことだろう。
それとは裏腹に
俺とAの間には沈黙が広がっているけれど。
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作者名：砂希流
| 作成日時：2018年10月11日 21時
