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百十二話「迫り来る魔の手」 ページ26

一方その頃






「さあて、七十億も支払って虎を買おうとしたのは
何処の誰かなっと」






あのあと太宰はマフィアに潜り込み、Aと敦についての情報を探していた。
暗い部屋に、パソコンのチカチカとした白い明かりが目立つように光る。
そしてある報告書を目にした太宰は顔を険しくした。






「(こいつらは…)」







そしてまた一方で、ヨコハマに近付く豪華客船が一つ。







「……時間だ」







高そうな腕時計を見て彼はそういった。








「島国の田舎マフィアめ。
約束の時間も守れないとは、とんだはんちくだな!」








大きな椅子にどっかりと座るそのさまはまるでお伽噺の王のようだ。
懸賞金作戦は失敗、とマイクに喋りかける。
遠くにいる彼らに報告するために。







「どうぞお好きに。
わたくし達が手袋を汚すほどの相手ではありませんもの」








《時計塔の従騎士》近衛騎士長
テイム・アガサ・クリイスティ爵
能力名『そして誰もいなくなった』








最初に聞こえたのは女性の声。
彼女はティーカップを持ちながら妖艶に微笑む。








「全て予想の通りです。
いずれにしてもぼくたちは勝手にやらせてもらいますよ。
神と悪霊の右手が示す通りに」








地下組織《死の家の鼠》頭目
フョードル・D
能力名『罪と罰』








次に聞こえたのは男性の声。
男は爪をかじり、悪魔のように未来を見据える。
ごきげんよう。
ではまた。
二人がそういうと通信が途絶えた。









「まあいい。
二番手が利益に与れる道理は何もない」








能力者集団《組合》団長
フランシス・F
能力名『華麗なるフィッツジェラルド』









金髪の男はニヤリと笑い、ワイングラスを掲げる。









「『約定の地』は我ら《組合》が必ず頂く」









兄妹に伸びる悪魔の手に、二人は気付かない。



この先にあるのは絶望か、はたまた希望か。



彼らを救うのは英雄か、悪人か。



微笑みかけるのは天使か悪魔か。



そんなの、だあれも知ることない。

百十三話「きせかえ人形」→←百十一話「助けたいから」



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+アリス+(プロフ) - かにかまさん» 塩対応能力(笑)ですね。妹ちゃんは太宰さんを塩対応すればするほど良いと(個人的に)思ってるので(寧ろ敦くんには天使スマイル向けてほしいです) (2018年10月24日 19時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 塩対応能力w (2018年10月23日 20時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 紅華さん» すみません間違えていました。誤字の指摘、本当にありがとうございます。申し訳ありませんでした (2018年9月30日 23時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - あの公開ではなくて後悔ではないのですか? (2018年9月30日 23時) (レス) id: 1bdfb279a8 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 緑谷みとかさん» はい、では早速紹介させていただきます! (2018年8月14日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年7月18日 20時

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