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五十話「迷宮入り」 ページ2

ポカンとしたまま、暫く動かなくなる。
そりゃそうだ、異能を発動して四年間知らなかったことなのだから。
じゃあ、何で知っているのだ?
四年間、異能が暴走したとき、私を見ていた人は皆巻き添えになった筈なのに。







「もう一つなんだけどね、君が事件を起こした現場
覚えているかい?」

「は、はい、確か路地裏だった筈」








ただでさえ今日は思考がショート寸前の出来事でしかなかったのに
更に新しい情報が頭の中に流れ込んできたため、もうパンクしそうだ。
返答がしどろもどろになっている。








「君が事件を起こした路地裏ね、ポートマフィアの傘下のビルの路地裏だったんだよ。
その時偶然監視カメラに君と敦君が映っていたんだ」

「……はい?」

「だから君が異能力を暴走させた一部始終は
ポートマフィアの監視カメラにバッチリおさまっているんだよ」

「じゃ、じゃあ、最初からポートマフィアの人の一部にはその映像が見られていた、と?」

「うん」






わなわな、と体が震える。
「ええ〜、嘘だ〜」と私は項垂れた。
真逆全部知られていたとは。
なんか凄い恥ずかしいんだけども……。
それに太宰さんがへらへらと微笑んでいるのが少し苛つく。









「じゃあ、何でもっと早く私を捕まえに来なかったんですか?
身元も特定できた筈なのに」









自分でも何云ってんだか判らなくなる。
でも謎なものは謎なのだ。
ポートマフィアの情報網があれば私の身元なんて一発だろうに。









「いやね、実はそれができなかったんだよ」

「へ?」

「何処をどう探しても、君は見つからなかったんだ。
まるで神隠しにでもあったかのように、見つからなかったんだ」









どう云うことだろうか?









「わ、私は極々普通の孤児院にいた筈ですけど」

「でも君は見つからなかったんだ」

「……」

「まさに迷宮入りだね」

「上手いこと云いますね」








結局この話は終わってしまった。
にしても、どうして私の身元が見つからなかったんだ?
否、考えない方が良いのかもしれない

五一話「調査資料」→←四九話「初耳ですけど」



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作品ジャンル:アニメ
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+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» ありがとうございます!では早速紹介させていただきます。 (2018年6月24日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» はい!オッケーですよ! (2018年6月24日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。イメ画、拝見させていただきました。汚くないです。むしろ自分の夢主をこんなに可愛く描いてもらえてとても嬉しいです!宜しければ、このイラストを小説の中で紹介したいのですがいいですか? (2018年6月24日 17時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» イメ画描いたんで…汚くて申し訳ない (2018年6月14日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/7/367184e309c78bafdccbd390e66ab0c5.jpeg (2018年6月14日 17時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年5月21日 17時

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