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二十話「莫迦は遺伝する」 ページ21

「お兄ちゃん退いて!!」


「A!?」






私はお兄ちゃんを爆弾からベリっと離す。





ーあと五秒ー





「Aちゃん何して……!?」

「小娘!?」






ーあと四秒ー






爆弾をガシっと掴み、探偵社の窓を開ける。






ーあと三秒ー






手に力を込める。
そして






ーあと二秒ー






「っ飛んでけえぇぇぇぇ!!!!」





勢いよく爆弾を投げた。
せめてもの防御として頭を手で押さえしゃがみこみ、ぎゅっと目をつぶる。





ーあと一秒ー




ーあと………ー





「……あれ?」






もう爆発してもいい頃なのに爆発音が聞こえない。
恐る恐る目を開ける。








「「え?」」








お兄ちゃんとハモッた疑問符は私たちの頭を真っ白にさせた。
そこには太宰さんと国木田さん、そして何故か爆弾魔の人が私たちを見下ろすように立っていた。








「やれやれ……莫迦とは思っていたがこれほどとは」


「ジサツ愛好家(マニア)の才能があるね彼は」









呆れたように私たちを見る国木田さん。
くすくすと笑う太宰さん。







「「へ?……え?」」


「本当に、同じ顔してるね。
驚いた顔までそっくりとは……ん〜この瞬間を写真に収めたいよ」







何故笑うのだ太宰さん。








「お兄ちゃ」


「ああーん兄様ぁ!大丈夫でしたかぁぁ!?」


「痛だっ!?」








人質さんが爆弾魔さんに突進するかの勢いで抱きつく。
爆弾魔さんからゴキッと物凄い音が聞こえたんだけど……。






「いい痛、痛いよナオミ。
折れる折れる……て云うか折れたァ!!」









嗚呼、そう云うことか。
仲の良い(?)爆弾魔と人質さん。
さっきの危機感はどこ行った、と思うくらい冷静な太宰さんたち。
つまり……








「騙されていたって事かァ……」


「………へ?」


「だからつまり私たちは」


「小僧、小娘」







国木田さんが私の言葉をさえぎる。







「恨むなら太宰を恨め。もしくは仕事斡旋人を間違えた己等を恨め」


「「………」」


「つまりそう云うこと」


「そう云う事ってどういうこと!?」








お兄ちゃんの肩にぽんっと手をのせた。
まだお兄ちゃんの目は白黒していた。

二十一話「入社試験とその結果」→←十九話「見ているだけは終われない」



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作品ジャンル:アニメ
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - 13ページの異能力が維能力になってますよ! (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか? (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ x他1人 | 作成日時:2018年4月6日 17時

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