二十二話「入社するか否か」 ページ23
入社試験に合格した。
果たしてこれは喜んでいいことなのだろうか？
駄目だ、頭が追い付かない。
「うふ、よろしくお願いしますわ」
「い、痛い！そこ痛いってばナオミごめん！ごめんって！」
谷崎潤一郎
＿＿能力名『細雪』
その妹＿＿ナオミ
どうやら歓迎されているらしいけど……。
「ぼ、僕たちを試すためだけに……こんな大掛かりな仕掛けを？」
「この位で驚いてちゃ身が保たないよ？」
ドサッと後ろに倒れこむお兄ちゃん。
そんなお兄ちゃんに太宰さんはニコッと微笑む。
そしてゴキブリの如く後ろへカサカサっと下がるお兄ちゃん。
お兄ちゃんは多分こんな物騒な職場には入りたがらないだろう。
そう顔に出ている。
……だが私は違う。
「いやいや！こんな無茶で物騒な職場、僕無理で…」
「判りました。武装探偵社に入ります」
「A！？」
武装探偵社に入る。
それが私の考えた最善策だ。
そして私の答えに驚いているお兄ちゃん。
お兄ちゃんは私の考えに反対するだろう。
でも私にだって考えがある。
そう伝えるべく、お兄ちゃんの前にスッと仁王立ちになった。
「だ、駄目だA！この職場は危険すぎる！」
崩れた体制を直し、私の前に立つお兄ちゃん。
きっとお兄ちゃんは兄として心配をしているのだろう。
ならこっちは妹として心配をしよう。
私はすうっと息を吸い込む。
「聞いてお兄ちゃん！」
「は、はい！？」
お兄ちゃんの肩がびくっと動く。
「もし今この機会を逃したら、次はいつ就職できるか判らない。
それにお兄ちゃんの性格上自分から仕事を探すことなんてできっこない。
つまり、これは絶好のチャンスなの」
「で、でも……」
「ましてやお兄ちゃんは区の災害指定猛獣。
次虎になったら私がお兄ちゃんを助けられる保証もない」
少しだけ声を低くし、圧をかける。
そう、これはお兄ちゃんへの反抗だ。
そして負けるわけにはいかない勝負なのだ。
「うっ……」
「もしかしたら、次にこの人たちと会うときは死体になっている可能性だってある」
お兄ちゃんの顔色がだんだん悪くなっている。
そして気のせいかお兄ちゃんが小さく見えてきた。
「まあ、それでもいいなら私はお兄ちゃんについて行くけど……どうする？」
「…ここで……働きます」
よし、説得完了。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 198人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - １３ページの異能力が維能力になってますよ！ (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか？ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：+アリス+ x他1人 | 作成日時：2018年4月6日 17時
