spin a yarn about … (ページ32)

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32：横山さんと邑上さんページ32

その日のお昼

榛「横山さん、違ったね…」

一瞬、なんの事だろうと思ったけど、さっきの【人差し指】の事だよね、きっと…

邑「あ～、キーボード慣れてないのバレバレだったよね～(笑)」

榛「よく工学部でやってこれたな～、って感じ」

邑「なんか、材料なんとかっていうのだったらしいよ、さっき、渋谷さんと話してるの聞こえたけど」

ん？材料…？

榛「あ～、材料工学か…、パソコン使うハズだけど、上手く避けてきたのかもね」

『材料工学って？』

榛「ん～、素材の研究って感じかな？金属とガラスとかの新しい使い方とか、液晶とか光ファイバーとかの研究とか…」

『はぁ…』

榛「そのまま専門的な方に就職する人が多い学科だと思うんだけどね…」

ご飯食べたあと、そんな話してたら、当の横山さんが会議室に帰って来た

邑「あっ、横山さん！」

横山さんに駆け寄る彩希ちゃん…

ちょっ…何の話をするつもり…

横「ん？何？」

邑「キーボード、苦手なんですか？工学部出身の人って、コンピューターに精通してるイメージなんですけど…」

うわ～、直球過ぎやしませんか…彩希ちゃん…

横「ｱﾊﾊ、ホンマ苦手やねん…研究とかめっちゃおもろかったし、好きやったんやけど、キーボードがあかんねん…レポートとか卒論とか地獄やったわ…」

邑「なのに、この業界に就職したんですか？」

横「彩希ちゃん、めっちゃストレートやなぁ、おもろいわ…この会社にな大学のＯＢおって…その紹介ってやつやねん」

邑「大学ってそういうのあるんですね～」

さほど興味があるように見えない彩希ちゃんに、横山さんはビジネス３課にいる先輩の話や、材料工学の話とかしてて

邑「へぇ～」

邑「そんなんですね」

邑「すごいなぁ」

なんて、彩希ちゃんは適当な相槌打ってたけど、横山さんは一通り喋って満足したらしく

横「ちょい、タバコ吸ってくるわ」

そう言って、部屋を出ていった

榛「盛り上がってたね」

邑「そう見えました？」

榛「そうでもないの？」

邑「ん～、あんまり頭に入って来なかったんだけど…」

やっぱり、そうか…