spin a yarn about … (ページ31)

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31：記号ページ31

今日からやっとコンピューターの研修

まず、プリンターに打ち出すための定型文を打つ

ホワイトボードに写し出された、アルファベットと記号の羅列

３年間コンピューターの授業あったけど、まだキーボードをチラ見しながらじゃないと、ちゃんと打てない…

カタカタとキーボード打ってたら、どこからか、軽快な音が聞こえてきた

あっ…生田さんと実穂さんだ、さすがだな…

ふと、その隣を見てみたら…

えっ、渋谷さん、両手の人差し指だけ出して、ひとつひとつ丁寧に…って訳じゃなくて、一文字一文字探しながら打ってる…

慣れてないんだね、キーボード…

そういえば、横山さんは…

あれ？

横山さんも、渋谷さんと同じスタイル？

工学部だから大丈夫そうって、実穂さんが言ってなかったっけ…

そうこうしてる間に、生田さんと実穂さんは打ち終わってて

６階にある大型プリンターまで、印刷物を取りに行ったみたい

邑「おわった？」

『あと、少し』

邑「じゃあ、待ってるね」

私が打ち終わったから、彩希ちゃんと二人で６階に行こうと席をたったら、

「なぁ」

横山さんが声を掛けてきた

『何かありました？』

横「これの次の記号、どうやって出すん？」

『あ…これはですね…』

横「ありがとう…なぁ渋谷くん、見てた？今の」

渋「見てへん」

横「Aちゃん、渋谷くんにも教えたって」

『あっ、はい…』

ちょっと緊張するな…

『これとこれを同時に…』

渋「うわっ、ホンマに出てきた、ありがとう」

渋谷さんの笑顔、初めて見た…それも間近で…

こんなに可愛く笑うんですね…

なんて、言ったら怒られそうだけど…

ちょっとドキドキした…