【RE!】fame ＃六道骸 (ページ7)

今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:10,061 hit

7 ページ7

…なんて、まさかね。

捜索願も出されてなかった私はただの捨て子。それ以外の何者でもない。

私のことを気にかけてなのか、夫婦は私が自分から問わない限り昔の話はしてこなかった。だから私もその気持ちを尊重して、過去の話は必要以上には求めない。無関心な私でも、この人たちには迷惑をかけたくないと思えるのだ。

夕食を食べ、お風呂を済ませた私は部屋でテスト勉強をすることにした。

テスト週間も終わり、全教科のテストが返ってきた。

私の脳みそは良くも悪くもなく平均的な出来だった。ある程度勉強すれば、平均点より少し上の点数が取れる。

今回もそのような結果だ。

そんな私と同じクラスで最高得点を取ったのは、この間イタリアから兄妹二人で転校してきたとかいう帰国子女の男子生徒。

確か名前は…永遠くんだったかな。

永遠くんは転校した日からしばらく学校へ来てなかったというのに、つい先日から顔を出したかと思ったら、クラスで一番の成績を叩き出した秀才男子だ。

彼がクラスメイトと話しているところはあまり見たことがなかった。クールな表情を崩さない彼は、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。もちろん私も彼と話したことはない。

しかし隣のクラスの山本くんとは仲が良いらしく、親しげに話す姿はしばしば見かけていた。山本くんは「永遠は双子だから名前で呼んで区別して欲しい」と、わざわざうちの教室に出向いてクラスメイトに説明していたから、もしかしたら彼はクールというより人見知りなのかもしれない。

まぁ、私にはどうでも良い話だけど。

終礼が終わり、私は席を立った。

「A、ちょっといいか」

帰ろうとした私を呼び止めたのは、人見知り秀才男子こと永遠くんだった。