【RE!】fame ＃六道骸 (ページ30)

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図書館を出た私たちは、近くのファミレスで昼食を済ませることにした。

ファミレスに入る際、持ち合わせがないからと断ろうとしたクロームの財布を見せてもらったら320円しか入ってなくて、私は無性に彼女に奢ってあげたい気持ちになってしまった(ちなみにこのお小遣いは毎月骸から貰っているらしい)。

そういえば、昨日私が骸に送ってもらった後、彼女は何事もなく帰宅できたのだろうか。

骸は「ナイトを用意してある」とか言っていたけど、犬や千種が来てくれたのかな。

「昨日の帰りは大丈夫だった？」

「うん…風の人が、送ってくれたから」

クロームは少し耳を赤くして、オレンジジュースのストローをくわえる。

予想外の人物の登場に、私の頭の上にクエスチョンマークが浮かんだ。

えっと…風の人って誰？

私が首を傾げると、クロームは一言「永遠って人」とその人物の正体を明かしてくれた。

つまり、あの後彼女を送り届けるナイトとして骸に呼ばれたのは永遠だったというわけか。

確かに、あの人は骸たちと顔見知りっぽかったし。

「クロームも永遠と知り合いなんだ」

「私はよく知らない…骸様は、自分の古い知り合いだって言ってた」

「クロームは昔から骸たちと一緒にいたんじゃないの？」

「犬や千種はそうだけど、私は少し前に骸様に出会ったの。だから私は、Aとは初対面」

なんだかよく分からなくなってきた。

骸の一味は全員私の過去を知っているのだと思っていたけど、彼女は例外らしい。

だとしたら、私の欠落した記憶の中にいたのはあの三人。そしてクロームの話を聞く限りだと、古い知り合いだと言われた永遠も当てはまるかもしれない。

「骸様は私を助けてくれた…でも骸様は、自分はAに助けられたって言ってた。“クローム髑髏”がこうしてここにいるのはAがいたからなんだって教えてくれた。だから私は、Aも大切」

いつもより饒舌に話したクロームは、そこまで言ったところで運ばれてきたパスタを一口食べた。