【RE!】fame ＃六道骸 (ページ19)

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誰もいなくなったそこにポツンと立ち尽くす私。

よろしく言っといてって…つまりはあの人たちのところへ行けと言っているのと同じことじゃん。

えー…。

色々と腑に落ちないけど、少し考えた私は来た道を戻ることにした。ここでこのまま帰って、後日永遠にとやかく言われるのも面倒だ。

なぜ骸たちのことを知っているのかは、また改めて聞いてみよう。

「あ、A！」

渋々校門の前まで行くと、私の存在に気付いた犬がこちらに向かってブンブンと手を振った。

頭の中に中型犬がしっぽを振る様子を思い浮かべながら、私は3人の元へ歩み寄る。

「私に何か用？」

「これから遊び行くびょん！」

はい？

「ちょ、わっ」

思わず聞き返しそうになった私の手を、犬が強引に掴む。

なぜ私は知り合ったばかりの人たちと遊びに行かなければならないんだ。

「黒曜ランドはボーリングとかならあるけど、どーせなら最新のゲームがあるゲーセンがいいよな！」

私の答えなど聞く気もないようで、犬は手を握ったまま風のようなスピードで走り出した。

「犬、Aを無理に引っ張るなよ」

「ま、待って…」

手を引かれて一緒に走りながら、私が会話に入り込む余地はまったくないのだと察した。

物凄い速さで先頭を駆け抜ける犬に合わせて走るので精一杯だし、後ろにいる千種はそれに合わせる気もないって感じ。クロームに至っては犬のスクールバッグを持たされているせいか、両腕に荷物がいっぱいで着いてくるのもやっと。

この人たちの辞書には協調性って言葉がないのか？

私だってそんなに体力がある方でもないのだけど、犬に手を掴まれているから全速力を強要されている。

なんとか転ぶことなく走りきった私は、目的のゲームセンターに到着した。

さすがに疲れた…。