【RE!】fame ＃六道骸 (ページ12)

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振り返ると、そこにいたのは黒曜中の制服を着た男子だった。

「犬、Aは記憶がないんだ」

「驚いちゃう…」

暗闇に慣れてきた目は、その男子の背後にいる背の高い男子と小柄な女子の姿もはっきりと捉えた。

全員黒曜中の制服を身にまとっている。ここにいる並中生の私、すごくアウェイ。

それにしても、私はこの人たちのことを知らないのになぜ向こうは私を知っているんだ。

この人たちが、骸が言ってた彼の配下の人たちだろうか。それならば、初対面にも関わらず誰かさんと同じように私をファーストネームで呼んできたことにも納得できる。

声の大きい元気な男子はすごい速さでこちらに近づいてきて、それから私の顔をまじまじと見つめた。

「マジでAに会えるとか思ってなかったびょん！でかくなってもやっぱカワイイな～」

「骸様に怒られるよ」

背の高いメガネ男子が、元気男子の首根っこを引っ張って私から引き離す。

それより、親玉の姿が見えない。

男子二人がわちゃわちゃしていた為、私は残った華奢な眼帯女子に尋ねた。

「その骸様って人に来いって言われたんだけど、いないの？」

「本物の体は、ここにはない…でも有幻覚を使えば、ここで骸様とお話しできる」

眼帯をしていない方の大きな瞳を私に向けるその子。出たよ、幻覚。

その真剣な眼差しは嘘をついて私をからかっているようには見えないし、とりあえず「そうなんだ」と相槌を打っておいた。

幻覚って本当に存在するんだ。ん？でも幻覚って、存在しないものを見せたりするやつだよね。ややこしいな、よく分からなくなってきた。

「うるへー柿ピー！」

「めんどい…」

こちらとは対照的に、男子二人は今も言い争っている。

骸の手下って聞いたからもっと薄気味悪い連中かと思ったけど、意外と年相応だな。特にうるさい方。

身内の揉め事は後でやってもらうとして、私をここへ呼んだ理由を説明してほしい。