【RE!】fame ＃六道骸 (ページ2)

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クラスのみんなと、そして先生の視線が私に集まっている。

今は数学の授業中で、どうやら私は居眠りをしてしまったらしい。

しかもそれがバレてしまった模様。

「熟睡しすぎです、三回も呼びましたよ。昼休みに職員室へ来ること。明日配布するプリント作成の手伝いをしてもらいます」

「はい…」

普段なら居眠りなんてしない私だからなのか、先生が下した罰は軽いものだった。常連は放課後まで、もっと大変な手伝いをさせられている。

それにしても、なぜ居眠りなんてしてしまったのか。昨日の睡眠時間にしてもいつもと変わらないのに。

変化のない日々を送っている私にとって、今みたいなイレギュラーな出来事は見過ごせない。

何もない生活を送ることが私のモットー、もとい理想とする生き方なのだ。

私はあまり物事に関心がない…良く言えば感情の起伏が穏やかな人間だ。好きなものがなければ嫌いなものもない。全てにおいて無関心な毎日を過ごしている。

強いて言えば、この生活に変化が起きるのが嫌いかな。

昼休みに職員室で先生の手伝いをしながら、私は授業中に見た夢のことについて考えていた。

実は、自分は何事にも無関心であると散々言っておきながら、私には昔からただ一つだけ「好き」だと言えるものがあった。

それは林檎だ。

加えて食べ方にもこだわりがある。切らずにそのまま、皮のついた状態で丸かじりするのがベスト。

しかし味が好みだとか見た目が好きだとか、そう言う感情は一切ない。なぜこの果物が好きなのかは自分でも謎。

ただ、頭の片隅にあるのは、林檎を懐かしく感じるということ。