【銀魂】ロマンスを騙る【短編集】

※夢主大１、沖田が警察学校の謎設定です。一応03-05と繋がっています。
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『卒業したらしばらく会えねえから』という沖田の言葉通り。高校を卒業したわたしたちは、全く会うことなく４月を迎えた。
わたしが華の１女としてキャンパスライフを謳歌している中、沖田は警察学校でひねくれた根性を叩き直されていることだろう。


「中原ちゃんは？カレシいんの？」

某居酒屋にて、グルメサークルの新歓コンパが行われていた。一緒に来た子とは席を離されてしまい、男の先輩が両隣に座っている。ただでさえ大学生の男の人というものに慣れていないわたしは、すでに帰りたい気持ちが芽生えていた。

「いないです」
「おぉ〜」

彼氏と聞いて一瞬、沖田の顔が浮かんだけれど。あれはこう腐れ縁というか彼氏ではない。おぉ〜ってなんだよ、ノリがチャラすぎてこわいよ。これがウェイ大学生というものなのか。絶対にこのサークルは向いてない気がする。

「あ、これカルピスサワーなんだけど飲んでみ
？ほぼカルピスだし、アルコール弱いから」
「アルコールはちょっと……お水で大丈夫です」

……とても帰りたい。女の先輩は他のテーブルで１男を囲んで談笑しているし、食べ物は確かにオシャレだったけど、なんというかここは出会い系サークル(？)なのかもしれない。

「お酒ダメなカンジ？そかそかまだ未成年だもんね、かわいい」

先輩Aがそう言って頭を撫でてきた。酔っ払っているんだろうけど、とっても下心が透けて見えるというか。あまりいい気分がしないし、思わず身体が硬直した。別のテーブルにいる一緒に来た子は、なんだかとても楽しそうに笑っていて、余計に居心地が悪く感じてきた。

あと１時間かぁ、帰りたいな……と時計を見遣ると、とてもよく知ってる声が降ってきた。

「よ〜バカA。」

沖田がいた。私服姿で大きめの鞄を持っている。え、なんで？

「……なんで？」
「俺ほら優秀な警察官の卵だから？お前のSNS色々ネトストしてたら、どっかのバカサークルのストーリーにお前と店の名前写ってた。」

沖田はそう言ってスマホを見せてくる。確かに表示されているストーリーには“新歓コンパ、超盛り上がってる(笑)”という文字と店の名前が書いてあって、よくよく見ると小さくわたしも写っていた。

「え……誰？」

こればかりは先輩の当たり前の疑問に、思わず頷いてしまう。

「テメーこそ誰でさァ」

警察学校1ヶ月目の沖田は相変わらずひねくれた底意地悪い笑みを先輩Aに向けている。