すぺしゃるしーと Ⅲ (ページ7)

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The 87th seat. ページ7

あれから

ものすごい集中力を発揮して

気づけばお昼休みもだいぶ過ぎていた

やっべ…Aもう出ちゃったかな？

ブラインドを指で下げてフロアを覗くと

Aが鞄を漁ってるのが見えた

ギリギリセーフ！！

すぐにスマホを取り出した

サクショウお昼まだなら、一緒に食べない?

A今からちょうど、買いに行くところでした。ご一緒させてもらってもいいですか?

すぐに既読が付いて、返信が来た

サクショウもちろん。ロビーで待ってるね。

財布とスマホだけ手に取って、自室を後にした

ロビーに着いてすぐ、後ろから声がした

「すみません、待たせてしまって」

いつも少し小走りで駆け寄ってくる

『仕事大丈夫だった？急がせちゃったね』

「大丈夫です。ちょうど、買いに行こうとしてたので」

うん、知ってる

だから、声かけたんだもん(笑)

俺も、うっかりしてたから

昼休憩の時間は半分以上過ぎていた

別に遅れたって、何を言われる訳でもないし

休憩に入るのが遅かったから

きっちり休憩してもいいんだけど…

Aは引き継ぎの資料なんかで

追われている感じだったから

あまり時間を取らせる訳にもいかない…

『今日さ、蕎麦の気分なんだけどいい？』

「はい！大丈夫です！」って返事が返ってきて

お蕎麦屋さんに向かった

店内に入ると、昼休憩と時間がズレたからか

待ち時間もなく、案内された

チラッと確認したけど

やっぱアクセサリー系つけてないんだよね…

何がいいかな？って考えてたら話題を振られた

「お蕎麦、好きなんですか？」

『うん。一人だと立ち食い蕎麦とかによく行く』

「立ち食い蕎麦いいですよね。サッと食べて、スッと帰れるし」

『ふは…俺と全く同じ理由。Aは女の子なんだから、もっとおしゃれなランチとか、食べてると思ってたわ。…金曜日、ゆっくり話せるといいね』

「ん？金曜日なにかあるんですか？」

『なにって…Aの壮行会でしょ？』

「忙しいのにすみません」

『とんでもない。あっ、何か欲しいものある？』

いい流れで…ちょっと強引だったか？

まぁいいや

スマホを取り出して検索しはじめた