記憶の隅の初恋。～恋という名のワスレモノ～《Reo.S×Ryota.K》 (ページ4)

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『え、...あ...ど、どこについてますか...?』

髪をワシャワシャッと何回かしてみるけど、全然、取れたような感覚はなかった。

すると、不意に彼が口を開く。

『えっと...よかったら、取りましょうか...?』

『......え?』

一瞬、彼の言ってくれたことの意味が分からず、無意識に愛想の無い返事をしてしまった。

自分でも、ヤバいな、と思った頃にはもう遅くて。

『あっ、やっぱり、女の子だし...触られるのって...嫌...だった?ごめんなさい』

眉を下げて、申し訳なさそうに笑う彼を見て、少し焦る。

『い...いや、そういうわけじゃないんですけど...』

必死に誤解を解こうとするけど、気まずさが生じて声も小さくなってしまい、彼の耳にはこの言葉は入っていない様だった。

どうしよう、入学して早々感じ悪かったかな...
変に気を使わせちゃったかな...

色々と考えているうちに、彼はまた本に目を向けていた。

あぁ、空気...持て余しちゃった...

しぶしぶ、髪の毛から慎重に花びらを探して、親指と人差し指で挟んだ。

『はぁ.........』

自分の惨めさに、つい、ため息が漏れる。

せっかく、学校に来て最初の、初対面の人とのコミュニケーションだったのになぁ...

と、今更ながら後悔する。

...やっぱり、最初って難しい_____。