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聡side

また喧嘩で手出しちゃったし、怪我させちゃった。マリがあまりにも泣くからポカンとして見てたら勝利に選べって言われて押し入れは怖いからクローゼットにした。

勝利が困ってるし、勝利にあんまり厳しい声で言われたことないから大人しくクローゼット入ったけど...怖い。誰も家いないのに、こんなとこ１人で入ってるの怖すぎて無理！すぐ出た。

出たけど、1人で家の中にいるのもなんか急に怖くなっちゃって、玄関の前で座って待つことにした。お仕置き増えてもいいや。1人で待つ方がよっぽど怖いし。

しばらく待ってたらうちの車が見えてきて、駐車する前に止まって風磨くんが下りてきた。姿が見えてめちゃくちゃホッとする。怒られるけど。
「聡、何してんの？クローゼットの中って聞いたけど」
「怖かったっ」
ぎゅって抱きついたら離したりせずにそっかって頭撫でてくれた。

「風磨！叱れ！甘いぞ！」
健人くんが来て風磨くんに怒ってるけど、風磨くんはそのままぎゅって抱き締めてくれた。それで、一緒に家に入ってくれて、リビングのソファに座った。

「マリはどうもないって。よかったな。」
「うん」
「じゃあ後は怒ってる兄貴にお任せするわ。」
風磨くん、ずっと側にいてくれたのに健人くんが来たらそう言って勝利とマリの方に行っちゃった。

「ったく。なんでクローゼットから出てんだ！」
「...ひっくぅ！こわっくてっ」
「いつもは入れてるだろ？なんで急に怖くなるんだよ。」
「1人だったからっ！家にっ誰もいなくてっ！」
もう安心と怒られてる怖さで泣いちゃってそう答えたら健人くんが黙った。

「悪かった。間違ってたな。ごめん。」
謝られて抱き締めてくれた。
「聡も病院ついてきてもらえばよかったわ。家に1人でクローゼットの中なんて怖いよな。ごめんな。」
頭撫でてくれて安心した。みんながいてホッとする。

「それについては、怒らない。だけど、マリに手出したことは怒ってるよ。右手。」
まただぁ...。右手。この一番空しい時間。
「...ひっくぅ！やだぁ」
「やだじゃない。手を出したのは聡でしょ。」
パッと手を取られたと思ったら定規持ってる！

バチィィィン！バチィィィン！バチィィィン！
「いだいっ！！！」
手の甲に定規が3回降ってきてめちゃくちゃ痛い！骨にくる！
「いだいよぉぉ！！！いだいっっ！」
「痛いの前に言うことあんでしょ。」
「ごめっなさいっ」

「膝おいで。」