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勝利side

健人くん帰ってくるまでめっちゃ頑張ったよ？言われたとおり団子から始めたし。
「マリ、もうほんとに開けて」
「やだ！」
「不味くないよ？美味しいよ。」
「嘘だもんっ！」
まぁ美味しくはないけど。

ほんと何言ってもダメで健人くんに代わってもらったらお仕置きって言ってる。うわぁ。奥の手だね。そりゃ飲むしかないから飲むでしょ。ほら。涙目で口開けてる。

でもこの後まだ家での治療があって、鼻で風船膨らませるんだって。これは、割りと楽しそうにやってた。健人くんに片方の鼻押さえられて、きゃっきゃしながら膨らませて遊んでる。

単純だね。俺がマリだったらお仕置き宣告にめげてそんな笑えないわ。それに、治ったらお仕置きってなったら絶対治さないように頑張るけど。で、これがバレてさらに怒られる怒涛のパターンね。俺と聡はそっち。

マリはそっから毎日薬は拒否しつつ頑張ってた。健人くんも途中で諦めてアイスでいいってなったし。飲み薬のたびにやってる気がする。毎回最初は今回こそ頑張るぞってなるのに、途中でこっちが負けてアイスになる。

「マリ、病院連れてくから。」
健人くんにこっそり言われて2人が出掛けていった。また泣くのかな。そう思ってたらけろっとした顔で帰ってきた。まぁ涙の跡はあるけど。
「おかえりーなんか嬉しそうじゃん」
「治ったって！僕頑張った！」

褒めて！って顔で俺に報告してくるから褒めるけど、お仕置きだぞ？今から。健人くんが入ってきてソファに座って待ってるし。さりげなくソファの前に連れていく。

「マリ、正座しなさい」
「えっ？！頑張った！」
「何もないって言い続けただろ？嘘ついてたな。」
はっ！とした顔をして俺の方見てるけど、俺は何もできませんから。

「正座。」
素直に従い始めた。てか嘘ってことは砂時計かな。
「体調が悪いなら、耳が聞こえにくいとか異常があるならすぐ言わなきゃ。早く言ってくれないと取り返しのつかないことになるよ？」

「一生俺らの声聞こえなくなってもよかったの？」
一生懸命首振ってる。
「膝おいで。」
砂時計ないんだ。まぁさすがに治療頑張ったしな。

パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！
「いだいっ！ごめっなさい！」
パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！
「やだぁ！ねっ！ごめっなさいぃ」

パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！
「あぁぁ！いだいよぉぉ！」
パアァァァン！パアァァァン！パアァァァン！