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健人side

内耳炎だって。まぁ大変だったわ。幼児なら鼻に空気送るのも風船でやってくれるらしいんだけど、中学生だと厳しいって言われてカテーテル。

もちろんマリが耐えれるわけなくて大騒ぎされて押さえて疲れたわ。大体最初のちょっと見られる段階で泣くんだからどうしようもない。で、飲み薬だって。飲み薬しかないって言われたから粉にしてもらった。それと家での治療。

取り敢えず泣き疲れてぐったりしてるマリを車に乗せて家に帰る。抱っこで下りる。
「ただいま」
「おかえり。貰うわ。」
すぐ風磨が代わって部屋に連れてってくれた。肩こったぁ。

「勝利、悪いけど明日から夜ご飯のあと薬貰ったからやってくれる?」
「座薬?」
「飲み薬。ごめん。頑張って。」
「ええぇぇぇ!無理!知ってるでしょ?」
「粉だから団子状にして食べさせて」

そんなこと言ってめちゃくちゃ難しいの分かってるけど。勝利もう泣きそうだし。まずは隠されたり捨てられたりしないように小分けにしてマリにわからない場所に入れとく。

「アイスだめ?」
「まずは団子状にして練習させて。どうしても無理ならスポイト。最終手段でアイスに混ぜていいよ。」
「...わかったよ」
飲み薬なんてそもそもあんま出されないから。大抵座薬で済ませてもらってきたからな。でもそろそろ飲めるようにならないと困るし。

で、風磨にも頼んで取り敢えず終わり。本当の戦いはここからだけど。
「おはよ」
「おはよぉ」
眠そうに朝御飯食べ終わったマリに薬ね。
「マリー口開けてーあーん」
寝ぼけてるから素直に開けてくれた。団子はハードル高いから薬溶かした水が入ったスポイトで口に落とす。

「飲み込んでー」
「!!やだ!」
何かに気付いて吐き出そうとしてるから口押さえて無理矢理飲み込ませた。朝でこれだから。昼と夜はもっと大変。

昼は学校だから先生にお願いしといた。もうここは無理させずにアイスでって。マリに持たせたら捨てられるから勝利に中学寄って持ってって貰った。先生もお子ちゃまっぷりに呆れてたけどやってくれたみたい。

「ただいま」
「しないぃぃぃ!飲まない!」
家入ったら分かりやすくごねてる。勝利が格闘してるから代わってやるか。
「勝利かわるわ」
「健人くんっもう無理!」

「マリ、やるよ。口開けなさい。」
「飲まないっ!絶対しない!」
「お尻増やすよ?」
「増やす?」
「耳聞こえにくいの隠してたんだから治ったらお仕置き。その回数を増やすよって言ってるの。」

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作者名:ゆう | 作成日時:2022年2月10日 1時

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