5にん 22

聡・マリ ページ40

風磨side

今日は兄貴遅いんだってさ。そろそろチビ達寝かしつけなきゃな。みんなリビングだろうから下降りるかぁ。そう思って、階段降りたらあれ？勝利しかいないじゃん。

「勝利もう寝なさいよ」
「うん〜もう上がる〜」
なんだ、チビ2人は部屋なのか？ま、上がるかぁ…無駄足だったな。

「わ！！！」
もうすぐ二階ってとこで、急に聡とマリの顔が飛び込んできて、やばい！！って思ったんだけど、スローモーションみたいだった。2人の顔がだんだん遠のいていって、色んなとこ階段に打ちながら下まで完全に落ちたんだと思う。

「え？！風磨くん！！！！」
「きゅう…きゅうしゃ…」
勝利の顔が見えた気がして、なんとか伝えたのかな。よくわかんないけど。

次に目覚ましたら病院だった。
「んっ…」
「風磨！大丈夫か？」
「あに…き？」
「お前階段から落ちたんだぞ？1番上から」
「ひぐっ！ひっく！！うぇっ！怖かったぁっ」

兄貴の顔が飛び込んできて、なんか腰とか頭とか色々痛いのは痛いんだけど、勝利が兄貴にしがみつきながら泣きじゃくってんのよ…
「勝利、ほら。風磨起きたよ。大丈夫だから」
「ひっく…ふーまっく〜！！怖かったぁ！」
「あー…大丈夫だよ？」

ぜんっぜん状況掴めてないけど、勝利がこんなに泣きじゃくるなんてよっぽど怖かったんだろうな…。てかいま何時よ。
「え？今何時？」
「1時過ぎだよ。特別に入れてもらってるけど、もう俺と勝利帰らないとだから。お前は取り敢えず1週間入院。明日から検査とか色々あるらしいから頑張って」

「え…ごめん。兄貴明日仕事でしょ」
「大丈夫。お前が大怪我でもしてたり寝たまま目覚さなかったら仕事になんないよ。無事でよかった」
「ひぐっ！明日っ来るからっ！寂しくてもっ泣かないでっ頑張ってね…」

勝利は俺をなんだと思ってんだか。兄貴に手引かれて帰ってったけど…こんな深夜に目覚まして、お医者さん来てくれて見てくれたけど検査入院がメインだからあんまりどうもないって言われたし。

寂しくは別にないけどさ、ちょっとなんて言うの？さっきまでめっちゃうるさかったから、勝利の泣き声とか兄貴の注意とかでね、急にシーンとしたなぁって…え？これ寂しがってんのかな。

てか、なんか兄貴のかる〜い説明によれば聡とマリ、大変なことになりそうだけど大丈夫かな…。2人とも号泣のまま放置されてるらしいけど。

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