5にん 22

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健人side

名前読んでくれたの！！メッッチャ嬉しい！ほんっとかわいい。
「ねぇ〜健人くん〜ねぇ〜」
「風磨は待って！勝利よろしくねぇ」
「ぅん」

めっちゃ喋ってくれるようになったし可愛いし。風磨は横でいじけてる…
「いた！！やめてよ！風磨のバカ！」
だって急に足つねってきた！

「だって〜！」
「あっち行ってよ！！」
「ん〜！！！」
「やめて！！」
今度は頭叩かれて痛いし！でも叩き返したらお尻また痛くなるから我慢…

「おとーさん！！ふーまが叩いた！！」
「はぁ？風磨、やめなさい。人叩いちゃダメ」
キッチンから言ってるけど来てくれない。
「ふーまやめて！！おとーさん！ふーまがしょーり叩いた！！」

これは嘘だけど、こう言ったら来てくれるよ多分。だって弟に手出した時のお父さんはとびっきり怖いもん。ほら…
「風磨」
「ちがっ！！だってー！！」
「和室行くよ。ほら」

ほぼお父さんが風磨引きずるみたいにして和室連れてった。あーあ。怒られるね。しょーりはポカンとしてる。
「しょーり、お父さん怒ったらめっちゃ怖いから気を付けなきゃダメだよ？なんかあったら僕のとこ来たら助けてあげるからね」
「…ぅん」

「ひぐっ！うえぇぇぇん！！けっとくー！ごめっねー！！しょーりっもっ！！ひっ…ごめっねー！！」
風磨がまたお父さんに連れられてリビング戻ってきて泣きながら言う。風磨はまだ幼稚園だからお尻は叩かれないんだよ。

「ん。勝利も健人も痛くない？」
「うん！大丈夫っ僕っやり返さなかったよ」
「偉かったな。勝利の相手してくれてありがとな」
優しく頭撫でてもらって喜んでたらさ？勝利が口開いたの。

「うそつき…」
「え？勝利？」
「健人くん、うそ、ちゅき」
「健人？」

焦っちゃってあわあわして勝利の口塞ごうとしたらお父さんに手持たれた。やばっ…い！
「健人」
「っ！ごめっなさい」
「はぁ…嘘ついたの？なんで？」
「んっ…おとーさっが、来てくれるって思った…」

涙がもう出そうなの頑張って堪える。可愛いしょーりのお兄ちゃんやりたかったのに…怒られてるの見られてるっ！泣きたくないよ。強いかっこいいお兄ちゃんがいいんだから。

「…分かった。嘘ついたことだけ叱る。和室行きなさい」
「もお痛いっ」
「誰が悪いの？」
「〜！」

何も言えなくて、黙って和室行ったらお父さんもすぐ来た。多分しょーりのこと褒めてたんだと思うけど…

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