5にん 20

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健人side

「よし。風磨、今日からここが風磨の家だ。何があっても、どんな時でもここに帰ってきなさい」
「ふーま…おうち」
「そうだよ。風磨のお家。で、これが健人。風磨のお兄ちゃん」

「けんと…おにーちゃん」
「ま、お兄ちゃんっていうにはまだまだだけどな」
お父さんがね、僕の頭ポンポンしながら言うの。ふーまはポカンとしながらお父さんの言葉繰り返してる。

「よし。お昼ご飯にしようか。風磨、何が好き？」
「ママとパパんとこ行く」
「風磨…おいで」
ふんっ…お父さん、ふーまばっかり構うんだもん！ずるいよ！

お父さんが風磨に優しく話しかけながら抱っこしてるの見てたけど…ずるいよぉ…！僕もされたいのにっ

「ねぇお父さん！抱っこ！！」
「今は風磨の番。待ちなさい」
「だってずっとふーまじゃん！」
「健人のことだってついさっき抱っこしたでしょ？」

「もーーー！！！」
バシッ
「健人！！！」
だって風磨が悪いんじゃん！僕のお父さんとった！だから、お父さんに抱っこされて満足げな風磨がずるくて、頭叩いたの。

「健人、畳の部屋行きなさい」
「い！や！！」
「風磨、強いね。泣かないんだな。痛かったなぁ」
「おとーさんのばか！！」
ひどいよっ！！2階上がってベッドに潜り込んでた。だってだって！！

いつもならお父さんが怒ってすぐ追いかけてくるか、きつい言い方してごめんってぎゅってしに来てくれるのに、全然来ない…なんでよぉ！

1人で悔しくて、クッション抱え込んで寝転んでたら涙出てきちゃったし。おとーさん…ふーまばっかり…。こんなんなら弟いらなかったっ

ガチャ
「健人」
「やだっ！おとーさんはっふーまが好きなんだっ」
「風磨が好きだよ。でも健人も大好き」
「〜っ！」

「泣いてないでほら、出ておいで。健人の好きなスパゲッティ作ったよ」
「……ミート？」
「ふ。そうだよ。ほらおいで」
優しくそっと布団剥がされて、ベッドから起き上がったら抱っこしてもらえた。

「おとーさ…ふーま…」
「風磨がどうした？健人がどうしても嫌ならいい。その代わり弟は諦めなさい」
「……ふーまどこ？僕の弟…」
「寝てるよ。ちゃんとお兄ちゃんになるんだな？風磨のこと、弟にできるんだな？」
「ん」

「わかった。じゃあ下行こう」
抱っこのまま降りて、ふーまのとこ行くのかなぁって思ったのに和室だっ！
「やっ…怒んないっ」
「怒る。下の子の頭叩いたでしょ」

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