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『じゃあ俺は行くかな。』
そう言ってスッと立ち上がった倫也さんに合わせる様にわたしも焦って立ち上がって、
「すいません、お待たせしてしまって。...これ、..本当にありがとうございます。大切にします。」
そう伝えると、倫也さんはフッと笑ってから何かを思い出したかの様な顔をして私を見た。
『あと今日、ピアス、ありがとう。』
ピアス?
これ?
わたしは手のひらの小さな箱を軽く見せてハテナな顔をすると、
『金魚花火。綺麗だった。』
そう言うと自分の耳の辺りを指で指した。
....ちゃんと...見ててくれた...
嬉しくて上がっちゃう口角
でも恥ずかしくて少し視線を落としてコクンと頷いた。
『じゃあこちらこそ引き止めてごめんね。』
その声に顔をあげると、優しく微笑んでくれた倫也さんはコクッと軽く頷いて廊下へ向かって歩き出した...。
大好きな背中
大好きな後ろ姿
一歩づつ遠ざかっていってしまう...
このままでいいの?
その角を曲がってしまえば、次はいつ...会えるの?
でも...なんて言えば...
「.....倫也さんっ!!」
気づいた時にはもう倫也さんの背中を追いかける様に足は進んでて
名前を呼んだ瞬間、
足元がグラついたのがわかる!!
え。
ヒールが脱げて後ろに飛んだ...
そしてわたしはそのままの勢いで前につんのめって
転ぶっ!!
でもっ、片手にはプレゼント、もう片手には風鈴のピアス。
ダメ!!絶対この二つは離さないっ!
手を胸の前で抱えて倒れる覚悟を決めてグッと目を閉じた
ドサッ!!
ガタンッ!!
ドスンッ!!!
痛っ.....く...ない...
...わけないのに...なんで....
バッと目を開くと
ダウン....と、...腕
『っくっ、あはははははっ!!!なんで俺天井見てんだ?』
ガバッと体を起こすと廊下で大の字で天井を見上げる倫也さん...を下敷にしてるわたしっ!!!
「え?!!いやっ、ごめんなさいっ!倫也さん、怪我してないですか?!」
ババっと離れながら倫也さんの上半身を起こすと、笑い続けてる倫也さんは『あはは、俺は全然。りっつぁんは?平気?』と顔を覗いてくれた...
「すいません、わたしの不注意でっ!」
そう言うと、スタッと立ち上がった倫也さんはわたしの腕を引いてさっきのソファーへと移動させてくれた。
『待ってて。』
そう言うと飛んでいったヒールをわたしの横へと置いて廊下の角を曲がっていった...
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RJS(プロフ) - あきらさん» あきらさん☆いつもいつもありがとうございます♡やっと感!本当、お待たせしましたっ!倫也さんが出てきてくれるとわたしもテンションあがります!笑 ここからまた素敵な展開が描ける様に頑張りますので末長く宜しくお願いします☆ (5月12日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - やっと。やっとかあぁぁぁああ。やっと..なのか..?これからちゃんと距離が縮まりますように。実は展開が展開なだけにずっとコメント出来なくて。でもちゃんと読んでました。また、楽しみにしてますね(^^)ゆっくり、ゆっくり^^ (5月9日 23時) (レス) @page35 id: 05facd4420 (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ぶさきさん» ぶさきさん☆全部最初から読んで下さったんですかぁ、すごく嬉しいですー!更新がまちまちで本当に申し訳ないです...でも待って下さっている事を伝えて下さって本当に書きたい気持ちパワーがグッとまた上がりました!本当にありがとうございました♡ (5月2日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ぶさき(プロフ) - 恋花火から始まり寝るのも忘れて読みこんでしまいました..素敵すぎます!続きがすっごく楽しみです!更新される日をワクワクしながら待ってます!⭐︎幸せな小説を届けてくださってありがとうございます (4月30日 23時) (レス) id: 6c6a36041b (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - タンさんさん» タンさん☆コメントありがとうございます♡本当ですかー?!爆速!!とっても嬉しいです♡ゆっくりですが確実に更新していきますので是非是非これからも宜しくお願い致します☆ (3月11日 0時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2024年2月18日 18時