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[あっ!rtzuさん、此処ですっ!!]
まっすぐ走り抜けた曲がり角でぼんちゃんアシスタントの女の子が視界に入った。
わたしを見つけると小走りでわたしに向かって来てくれた彼女の腕にはさっきわたしが着たワンピースがかけられていて、すぐに[こちらですよね?]とわたしに渡してくれた。
「ありがとう、本当ごめんねっ。」そう伝えて、まだ早いままの鼓動が体で鳴り響いてて、少し焦る様にワンピースのポケットにグッと手を突っ込んだ。
.....あっ...た...
手のひらに感じたシャリっていう感覚
優しく包んで掬い上げて視界に映すと、その瞬間フッと力が抜けてその場にしゃがみ込んだ...
[え?!あの、rtzuさん大丈夫ですか?!誰か呼びましょうか?!]
焦ってわたしに声をかけてくれるアシスタントちゃんに
「...ごめんね、安心しただけ。ほんっっっとにありがとう。引き止めちゃってごめんね。」
そう言って顔を上げた。
[あのっ、rtzuさん、....靴は..]
「...あ。いや、焦ってて、ヒール走りづらくて上に置いて来ちゃった。笑」
[え?!いや、わたし今向こうからスリッパ持って来ますよ。]
「いやいいのいいの!!本当、エレベーターの脇に置いてあるから。本当忙しいのに引き止めてごめんね。行って。」
[でも、]
心配そうに見つめる視線に、心配かけまいとスッと立ち上がってギュッとハグをして「本当大丈夫。ありがとね。」と言ってから笑顔で手を握って言った。
そしてくるっと逆を向いて歩き出すと
[おっ..お疲れ様でしたっ!!]
と背中越しに聞こえた声にもう一度振り返って笑顔で手を振った。
手のひらの中
私の元へと戻ったわたしの大切な形の在るもの
安心してエレベーターのボタンを押して
ぼんちゃんにもお礼言わなくちゃな...なんて思いながら到着を待って
開いた扉にはまた誰も乗って居なくて、なんてラッキーなんだ!と裸足の足元を眺めた。
ポーンという音が鳴ってエレベーターの扉が開いて隣に脱ぎ捨てたヒールを履こうとすぐに出て右横へと目線を送ると...
あれ?ない。
え?ぼんちゃん持ってったのかな??
...『こっちだよ。』
背中側から聞こえた声に心臓がバクンッと跳ね上がったのがわかる...
わかってる
絶対に間違えない
わかってるけど
.....ゆっくりと振り返って視線を上げた先...
揃えられたヒールとソファーに座って手を振る
あなたが...居る...
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RJS(プロフ) - あきらさん» あきらさん☆いつもいつもありがとうございます♡やっと感!本当、お待たせしましたっ!倫也さんが出てきてくれるとわたしもテンションあがります!笑 ここからまた素敵な展開が描ける様に頑張りますので末長く宜しくお願いします☆ (5月12日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - やっと。やっとかあぁぁぁああ。やっと..なのか..?これからちゃんと距離が縮まりますように。実は展開が展開なだけにずっとコメント出来なくて。でもちゃんと読んでました。また、楽しみにしてますね(^^)ゆっくり、ゆっくり^^ (5月9日 23時) (レス) @page35 id: 05facd4420 (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ぶさきさん» ぶさきさん☆全部最初から読んで下さったんですかぁ、すごく嬉しいですー!更新がまちまちで本当に申し訳ないです...でも待って下さっている事を伝えて下さって本当に書きたい気持ちパワーがグッとまた上がりました!本当にありがとうございました♡ (5月2日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ぶさき(プロフ) - 恋花火から始まり寝るのも忘れて読みこんでしまいました..素敵すぎます!続きがすっごく楽しみです!更新される日をワクワクしながら待ってます!⭐︎幸せな小説を届けてくださってありがとうございます (4月30日 23時) (レス) id: 6c6a36041b (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - タンさんさん» タンさん☆コメントありがとうございます♡本当ですかー?!爆速!!とっても嬉しいです♡ゆっくりですが確実に更新していきますので是非是非これからも宜しくお願い致します☆ (3月11日 0時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2024年2月18日 18時