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二人で歩いてホールへと向かうとさっき以上に人が集まって会場は賑やかになっていた。
カウンターの方へと向かうとボーイさんがピアノの方へと案内してくれた。
ピアノの脇へと向かうと少しづつ静かになる会場の視線はゆっくりとわたしに集まってきているのがわかった。
マナは〈じゃ、あたしはこの辺で聴いてるね。〉そう言って手をあげて立ち止まった。
[今日はありがとうございます。こちらで一言頂けますとありがたいです。これからご案内致しますので宜しくお願い致します。]
「わかりました。」そう言ってピアノ脇から一段上がると少しだけ会場を見渡せる程の高さになった。
わぁ.....
という静かな歓声が上がって
わたしは小さくお辞儀をした。
[皆様、本日のご来場心より感謝致します。
本日はrtzuさんからお祝いを頂けますとの事で本当に夢の様です。今回の演奏も快くお受け下さって感謝しております。
それでは...少しだけ..ご挨拶お願い致します。〕
オーナーさんの言葉にわたしは深くお辞儀をしてマイクを待った。
「..この度は呼んで頂いて、そして演奏までさせて頂けるとの事で、すごく嬉しいですし、とても楽しみにしていました。moonとの出会いはもう忘れてしまう程遠い記憶な気がします。だけどわたしの東京での生活の所々にmoonは居ました。いつもどんな時も受け入れて頂けて、安心して過ごせるとこの場所はわたしにとってかけがえのない場所です。この場所で何度もピアノを弾かせて頂きましたが、今日は特別な日なので少しだけ準備をして来ました。今日もこれからもmoonが変わらず私たちの側にあって下さる事に感謝して演奏させて頂きます。
どうか皆様の耳の片隅にでもわたしのピアノをお届け出来れば光栄です。
本日は本当におめでとうございます。
そしてこれからも宜しくお願いします。」
...パチッ..パチッ...パチパチパチパチパチパチパチパチ...
会場の中央に立つわたしを囲む様に聞こえる拍手に囲まれて、わたしは四方に軽く頭を下げてからゆっくりとイスへと着席した。
さっき渡しておいたiPadにはコンサートの合間に練習を重ねた【華麗なる大円舞曲】の楽譜
ショパンのこの曲を人前で弾くのは何年振りだろう...
わたしが小さく深呼吸してピアノへと手を伸ばすと
さっきよりもシンッと静まり返った会場
まるでいつかのコンクールにタイムスリップした様な気持ちになった。
でもいつもとは違うこの緊張感に少し気分が高揚した気がしたんだ...
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RJS(プロフ) - あきらさん» あきらさん☆いつもいつもありがとうございます♡やっと感!本当、お待たせしましたっ!倫也さんが出てきてくれるとわたしもテンションあがります!笑 ここからまた素敵な展開が描ける様に頑張りますので末長く宜しくお願いします☆ (5月12日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - やっと。やっとかあぁぁぁああ。やっと..なのか..?これからちゃんと距離が縮まりますように。実は展開が展開なだけにずっとコメント出来なくて。でもちゃんと読んでました。また、楽しみにしてますね(^^)ゆっくり、ゆっくり^^ (5月9日 23時) (レス) @page35 id: 05facd4420 (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ぶさきさん» ぶさきさん☆全部最初から読んで下さったんですかぁ、すごく嬉しいですー!更新がまちまちで本当に申し訳ないです...でも待って下さっている事を伝えて下さって本当に書きたい気持ちパワーがグッとまた上がりました!本当にありがとうございました♡ (5月2日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ぶさき(プロフ) - 恋花火から始まり寝るのも忘れて読みこんでしまいました..素敵すぎます!続きがすっごく楽しみです!更新される日をワクワクしながら待ってます!⭐︎幸せな小説を届けてくださってありがとうございます (4月30日 23時) (レス) id: 6c6a36041b (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - タンさんさん» タンさん☆コメントありがとうございます♡本当ですかー?!爆速!!とっても嬉しいです♡ゆっくりですが確実に更新していきますので是非是非これからも宜しくお願い致します☆ (3月11日 0時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2024年2月18日 18時