四月の夜は。-12-

572. ページ22

慌ただしい年末を経て

いつもどうりの年始を迎えて

そして、気づけば変わらぬ日常へと戻って

仕事初めから徐々に仕事が増えていくとかじゃなくて

2月に初日が迫っているライブツアーの準備に日々とてつもなく追いかけられる毎日を送っていた。

マナにもSHUTAにも会いたかったけど

やることも考える事も多過ぎて毎日が寝落ちみたいな状態が続いてた

そして今日もリハーサルでアレンジの確認やらなにやらでスタジオに篭りっきり

やっとこの休憩でケータイを手にするとマナからのLINEが届いてた。



【A来月moonの周年祭覚えてる？てか来れる？】


...そうだ。いや、もうあっという間に2月じゃん！

初日まであと何日よ...


【覚えてるよ！もちろん空けてあるよ、約束してるし。遅めの時間にはなるけどちゃんと行く。】


...ピアノ..練習しなきゃなぁ...

...お祝い...何弾こう...


moonの周年祭。

去年から聞いていたからその日だけは夜予定を空けてもらう様に伊藤ちゃんに頼んでいた。

お祝いにピアノ演奏をする予定で店長さんにもお話ししてあった。

...最近引き慣れた自分の曲ばっかり弾いてるから、クラシック...大丈夫かな...

なんて一抹の不安を抱えながら、当日を楽しみにもしていた。

当日はSHUTAも仕事終わりに来ると言ってくれていた。

またマナとSHUTAに会えると思うと嬉しかったし、頑張ろうとも思た。

まぁ、二人とも初日の公演を観に来てくれるって言ってたからそこでも会えるんだけど。





［rtzuさん、そろそろいいですか？］

伊藤ちゃんの声に、「うん、今行く。」そう答えて部屋へと戻って伊藤ちゃんがカチカチ動かすパソコンの前に座った。


［rtzuさん、各会場のご招待のお客様の人数だいたいわかれば教えておいて下さい。］

「あ、うん。でもあたし友達少ないからスカスカになっちゃうかも。笑」

［やめてくださいよ！笑 全会場ソールドアウトで客席増やす事になったんですから。］

「そうなの？」

［そうですよー！みんな観に来たいんですよ？］

「じゃーマナとSHUTAの隣もお客さん入れちゃえば？」

［いやいやいや、あのお二人が近くに居たら集中できないですって！］

「そうなの？笑」

［そうですよっ！ほらもーふざけてないでスタジオ入って下さい！笑］

そう言ってわたしの背中はググッと押されてスタジオ内へと押し込まれた。


でも、

本当に特に呼ぶ人居ないんだよなぁ〜







...聴いていて欲しい人は...



溜息出るからやめよ

573.→←571.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す