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深夜。
夜道を歩く事を考えてちょっと厚地のコートを羽織ってフードを頭からすっぽり被ってマスクをしてマンションの下に降りると脇の壁に寄りかかったフードにキャップにマスクのSHUTAが牛丼片手にスッと手を上げた。
「めっちゃ不審。」
〔おまえもな。〕
そう一言だけ言葉を交わしてから二人ともポケットに手を突っ込んだまんま並んで歩く。
新年早々だというのに人が全く居ない
いや、新年早々だからか
風もなくてただ空気だけがしんと寒い
でも空気が澄んでるから空は綺麗に澄み渡ってるな...
〔今日中村さんは?〕
「え?!?」
〔仕事か。〕
「あ....ね。」
急にSHUTAの口から出た倫也さんの名前に反射的に割と大きな声がでてしまって、でも〔仕事か。〕って勝手に納得した空気感のSHUTAに合わせる様に変に小さな返事が出た...
「ねぇ、あけましておめでとう!!」
〔さっき聞いた。〕
「言ってはないじゃん。ねぇ、SHUTAは?」
〔今年も頑張りますか。〕
「何したい?」
〔牛丼食いたい。〕
「今じゃないわ。」
〔もう家すぐそこだからそれしか考えらんない。あと寒くて話してらんねぇ。〕
そう言ったSHUTAは前を向いて歩いてて思った。
なんか脈略なく新年の挨拶なんかして流れは絶対おかしかったよね
でも、何か、なんでもいいから違う話題をっ!と思ったわたしの精一杯
...だって
わたし...倫也さんが今日どこでなにしてるか...知らないから...
〔あーー。さびぃ。なんでこんな寒ぃんだよ。牛丼冷えた。あっためるわ。〕
部屋に着いたSHUTAは上着を脱いですぐにキッチンへと向かって、わたしもそれを追いかけてキッチンへと向かった。
「お茶でいー?」
〔うん。〕
そんな会話をボソッとしながらテーブルに冷蔵庫からペットボトルのお茶を並べると、
〔今日飲むか?〕
電子レンジの前からこっちに向かって言うSHUTA。
「飲みたいけど、SHUTAは?」
〔俺は飲む。〕
「じゃー飲む!」
そう言うと、〔本気飯終わったらな。〕とSHUTAが言ったと同時に電子レンジのピピッという音が響いた。
部屋に広がる牛丼の香りは何かの魔法がかかった程にいい匂いすぎてお腹が鳴りそうになった。
〔先食ってていいよ。〕って言いながらわたしに渡してくれた牛丼を目の前に、わたしの新年一発目の幸せなごはんタイム
少しだけ早いけど
こうしていつも通りの新年を迎えられること
ありがたいし、幸せだよね..
「いただきます。」
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RJS(プロフ) - あきらさん» あきらさん☆いつもいつもありがとうございます♡やっと感!本当、お待たせしましたっ!倫也さんが出てきてくれるとわたしもテンションあがります!笑 ここからまた素敵な展開が描ける様に頑張りますので末長く宜しくお願いします☆ (5月12日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
あきら(プロフ) - やっと。やっとかあぁぁぁああ。やっと..なのか..?これからちゃんと距離が縮まりますように。実は展開が展開なだけにずっとコメント出来なくて。でもちゃんと読んでました。また、楽しみにしてますね(^^)ゆっくり、ゆっくり^^ (5月9日 23時) (レス) @page35 id: 05facd4420 (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - ぶさきさん» ぶさきさん☆全部最初から読んで下さったんですかぁ、すごく嬉しいですー!更新がまちまちで本当に申し訳ないです...でも待って下さっている事を伝えて下さって本当に書きたい気持ちパワーがグッとまた上がりました!本当にありがとうございました♡ (5月2日 19時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
ぶさき(プロフ) - 恋花火から始まり寝るのも忘れて読みこんでしまいました..素敵すぎます!続きがすっごく楽しみです!更新される日をワクワクしながら待ってます!⭐︎幸せな小説を届けてくださってありがとうございます (4月30日 23時) (レス) id: 6c6a36041b (このIDを非表示/違反報告)
RJS(プロフ) - タンさんさん» タンさん☆コメントありがとうございます♡本当ですかー?!爆速!!とっても嬉しいです♡ゆっくりですが確実に更新していきますので是非是非これからも宜しくお願い致します☆ (3月11日 0時) (レス) id: acf635abfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RJS | 作成日時:2024年2月18日 18時