恐怖シンドローム３ (ページ9)

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第百四話　生羽ページ9

「一体何がどうなってんだ！？」

思わず声に出して言う。
いまいち状況が理解出来ず混乱する。

『まぁまぁ、落ち着いてください』
『落ち着いていられねーよ、落ち着いてるのが異常なんだよ』

どうやら抹茶は落ち着きを持っているが他の人格はそうでないらしい。
深呼吸をし、過去を振り返ろう。

～

『…主人格、人の気配を感じる。かなりの数とみた』

と林檎が言う。

『もしかしたらゼロ！？』
『ゼロは出くわしたくな…』
『避難とかの指示が出ているのかもしれないじゃない？』
『だりぃな…とりあえず何でも良いんじゃね…？』

～

と言う事があり、来てみたんだった。
ミルクティーの予想通り、どこかに避難している様だった。
…どこに向かっているんだろう、見当も付かない。

『誘導の人もいるが…忙しそうだな』
「こんなに人がいるもんね……ついて行くかな」

足を動かそうとしたときだった。

『ちょっと待ってください！』
「え？抹茶どうしたの？」
『あそこに小さい子が…親とはぐれたのかも…』

抹茶が指さす(？)方向にはオロオロとしている子どもがいた。
やっぱり、抹茶はこう言う人を助けたがる。
まぁ…良いことなんだけどそれで何度危険な目にあったか…

『なので生羽さんの身体をお借りします！』

こうなってはもう抵抗のしようがない。
抹茶は主導権を握り子どもの側まで寄り、声を掛けた。

『ねぇ、こんなところで何をしているのかな？』
「あのね…ママとはぐれちゃって…」
『そっか…じゃあお姉さんが貴方のママを探しますよ！』

…そんな訳で皆がどこかに避難する中、迷子の子の親を探す事になった。
結構人がいて探しにくい状況だ。

『いつになったら見つかるのか』
『知らねーよ、さっさと避難したら良いだろ？』
『と言うかゼロはどこ？』
『はぁ…自分第一だろ普通』

頭の中では愚痴大会が行われている。
それもそうか…軽く１０分は超えている。
もうどうでも良くなって来た時。

「あ！ママ！」
『見つかったね、よかったね』
「ありがとうございます、うちの子が迷子になった所を助けていただき…」
『いえいえ、そこまで礼を言われる程ではありませんよ』

どうやら見つかったらしい、これでどうにかなった。
親子を見送った後、主導権交代。

「って言うかホント…どこに向かっているんだろ」

さっき言った様な言葉を出し、改めて向かう。
そして着いた場所と言うのが、

「いや、本当に、これ…どうなっているの？」

地下シェルターだった。