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「よし!じゃあね、こうしてみて……」
リアは私が木の実を食べたのを確認すると、私の手をとった。手がだんだんとあたたかくなる。リアの体温によるものではない。私の手が異様なまでにあたたかくなっている。身体の中から何かが手に溢れてきているような。
リアは手を離す。すると私の手から……リアと同じように光に包まれ、その光は一点に集中。次の瞬間ぱちっと音がなった。電気……のようだ。青い雷光は手の中でしばらくぱちぱちと音をならしていたが、ふっと消えてしまった。
「うわ……」
「すごいね!雷の魔法か、良いなぁ」
リアはうんうんと頷いていたけれど、私はそれどころじゃなかった。今私の手から現れていた雷光は明らかに静電気なんかではない。それにさっきの感覚もおかしい。身体の中の何かが手のひらに集まって、そしてそこから放出されたような……。
「今のが魔法だよ!あの木の実は魔力を回復させるから、食べるとこんな風に魔法が使えるようになるんだよ……ねえ白蜜、聞いてる?」
「……ほ、本当に魔法、なの?」
「そうだよ!えっとね、魔法は種類がたくさんあって、人によって向き不向きとか色々あって……例えば私は火の魔法が得意なんだ」
リアは指先から火を出して見せる。その火を手の中で動かしたり、火を鳥の形にしていたり。その動きはマジックなどでは、明らかにない。
私はリアの説明を聞きながら、あの感覚を思い出してもう一度さっきのような電気を出せないか試してみる。あの時身体の中から手に溢れてきた、何か流れのようなものを手に集めるように。
すると私の手のひらに再び電気がぱちぱちとなった。驚いて思わず身動ぎすると、青い雷光が宙に消えていった。
「あ、上手だね!そう、魔法は身体の中の魔力を使うんだよ。でもすぐに魔法を使えるようになるなんて……天才!」
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