人工物、あるいは人ならざる者 (ページ7)

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いくつかの町を滅ぼした時、ジェベリアはようやく人の形をとる事ができた。背中の天使の翼だけは、なぜかなくせなかったけれど。

　ジェベリアは仕事でここに来ていた事を思い出した。内容は、とある組織の壊滅。詳しい話は聞かされていなかった。ジェベリアが知るべき事ではないからと彼に言われ、またジェベリアも詳細に知りたいとも思っていなかった。どうやら、仕事中に反撃され、そのまま一度殺されたらしかった。

　仕事は終わった。組織の施設は既に破壊した。死んで、生まれ変わってから何日が経ったろうか？ジェベリアは粘液に濡れ穴だらけの服を脱ぎ捨てて、代わりに新しく服を生成する。皮膚の質感を変え、形を変え、色を塗る。まるで服のようなそれ。ジェベリアはその出来に満足した。少し露出が多い気もしたが、まあ些細な問題である。

「遅いですよ、いつまで遊んでるんです？もう五日くらい経ってますよ」

　声がして、振り向くとそこには腕が一本、虚空から生えていた。ジェベリアはその腕こそがエルシャ神であると気付いた。

「とっとと戻ってこい。あなたの恋人かなり荒れてるんで」

「……恋人？」

　顔の皮膚を動かして、眉を潜めるような表情を作ってみせた。ジェベリアは冷たい声で続ける。

「エルシャ、ダーリンは恋人じゃないわ」

「あらそ。ともかくさっさと来い」

　腕にぐいと肩を掴まれる。いや、肩ではない。身体の半分をごっそりと鷲掴みにされたような感覚。ジェベリアがその不快感に悲鳴をあげるも、その悲鳴すらかき消される。