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「アリザさん、こっちなの！」
食堂には、すでに多くの人が集まっていた。けど、誰もテーブルの料理に手をつけていない。私達を待っていてくれたのだろうか？
そんな事を考えたりもしたけれど、それよりも、私はテーブルの料理の方が気になった。
美味しそうなパンがたくさんある。小さなケーキもあった。グラスに注がれているのは、琥珀色をした液体。子供の席には置かれていないから、お酒か何かかしら。
そして、何よりも私の目を引いたのは、テーブル中央の大きな大きな七面鳥の丸焼きだった。
きつね色にこんがりと焼き上がったそれは、香ばしい匂いをあたりに発していた。美味しそうで美味しそうで、唾液がこぼれちゃいそうなくらい。その匂いは私の鼻腔を破壊して、肺を蹂躙しているみたいだった。
食べたい。
私の頭の中は、それだけになってしまいそうだった。
「あ、ありがとう、こんな、素敵なご馳走……私、なんかに」
お礼を言いたい。けど、たどたどしくしか言えなかった。食欲を抑えるのに、精一杯だったから。そんな事を察してか、ウッズは私に席に座るよう、うながす。
「皆、グラスは持った？」
グラス？……ああ、これね。私は手元のグラスを手に取る。琥珀色のそれは、シャンデリアの光を反射して、きらきらと輝いていた。
「それじゃあ、アリザさんの初戦お祝い！乾杯！」
ちりんちりん、とグラスをぶつけ合う。一口飲んだ。やっぱりお酒だった。これは、シャンパン？食前酒らしく、そこまで強くはなかったけど……うん、なかなか。
私はグラスを置いて、七面鳥に手を出す。ナイフで切り落として、食べてみた。
「……美味しいわね」
美味しい！噛むと弾力があって、それでいてジューシー！皮はパリッと焼き上がっていて、いくらても食べられちゃいそうだわ！中身は……バターライスね！肉汁をたっぷり吸っていて、すごく美味しい！
夢中で食べてしまう。モモ肉、手羽先、ムネ肉、ボンジリ。部位によって味がまったく違うのね！これだけでフルコースみたい！
「ウッズちゃん、ありがとう！私、こんなに美味しい料理、食べた事ないわ！」
気が付くと、私の顔ほどもあった大きな七面鳥は、なくなってしまっていた。さすがに全部私が食べたって事はないだろうけど、そう錯覚してしまいそう。
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ミクミキ(プロフ) - YUKARI♪さん» ありがとうございます！ (2019年11月17日 18時) (
レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
YUKARI♪ - イベントからきました！とても面白かったです！野菜さんと同じようにミクミキさんの描写好きになりました(^^) (2019年11月17日 15時) (レス) id: 100fae83aa (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 野菜さん» ありがとうございます！励みになります！ (2019年7月20日 22時) (レス) id: 86a9e09b47 (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - ミクミキさんが書く言い回しや描写がとても好きです！待っていた甲斐がありました！これからも更新頑張ってください！ (2019年7月20日 21時) (レス) id: d6aefcc85a (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» ありがとうございます！ (2019年3月21日 8時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
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