第七話 飯龍怕 ページ8
「美味しいです……!いつもありがとうございます、龍怕さん」
弼君が、美味しそうにお饅頭を食べる。ほっぺを膨らませて、まるで向日葵の種を詰め込むハムスターみたい!その様子があまりにも可愛らしくて、ぷっくりと膨らんだほっぺを指先でそっとつついてみると、彼はくすぐったそうにする。
まるで子供。愛おしくなって、頬ずりしたいくらい。思わず笑うと、彼は不思議そうにこちらを見上げた。ああ、その仕草。あの日の坊やを思い出す。
坊やは元気にしてくれているのかしら。もうずっとずっと会っていない。きっと元気にしているだろうと、信じるしかないのだ。
「ろ、龍怕さん?どうしたんですか?」
……。いけないわね。弼君を心配させちゃったわ。弼君はいつも頑張ってて、疲れているのに。余計な心配、させたくないわ。
「大丈夫よ、目にごみが入っただけだから……あ、そろそろ家に帰ったらどう?アニメの時間なんでしょ?」
「え?!あ、はい、ええ……ご、ごめんなさい。長居しちゃって」
「大丈夫よ。……あ、そうそう!売れ残りのお饅頭、良かったらあげるわ!ちょっと冷えているけど、ごめんなさいね」
弼君にお饅頭を押しつける。彼は嬉しそうに顔をほころばせた。ああ、可愛いなぁ。
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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月13日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月12日 21時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
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