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第三十二話 レヴィアタン ページ33

「おチビちゃーん」

「ブゥン……」

 数日前に死亡しゼロ化が確認された元飯龍怕……収容ナンバー5640アラクネと命名されたエキドナ種のミュータントは、なぜかは分からないが、ワスプにひどく執着する様子が確認された。

 自身を殺したワスプに執着するのはまだ分かるんだけど、その様子がちょっとおかしい。

 アラクネはまるで、ワスプを我が子のように可愛がっているようだった。ワスプの羽を舐めているのは……捕食行動などではなく、昆虫などがよく自身に対して行う身繕いに似ている。もっとも、ワスプはアラクネのその様子に無関心なようだが。

「おチビちゃあ"」

 さすがに鬱陶しくなったのだろうか、ワスプはアラクネを後ろ足で蹴りつけた。見た目よりはるかに軽量であるアラクネはあっさりと吹っ飛ばされていく。おチビちゃーん!と絶叫をあげながら。ひっくり返って起き上がれないようで、異様に長い手足をわさわさと動かしていた。

 他のミュータントとのクロステストでは、こんな反応示さなかったんだけど。アラクネの元となった飯龍怕は、過去にワスプと何らかの関係でもあったのだろうか?

 まあ、今回はこの辺までにしておこう。他のミュータントの世話もあるんだし、アラクネにばかり時間を使ってられないのだ。

 手元のボタンをぽちっと操作し、収容室内に催眠ガスを噴射させる。

「おチビちゃん!おチビちゃ……」

 おチビちゃんと連呼しながら、アラクネはぱったりと倒れ込んだ。ワスプの方には変化がないが、どこかうつらうつらとしているような気がする。

 完全に眠ったのを確認し、職員がアラクネを引っ張り出して、収容室に連れて行った。しばらくすると、アラクネは起きて、おチビちゃん、おチビちゃんと、また叫び出すだろう。

 その時には幼児を入れてやると良い。なぜかは分からないのだが、アラクネは幼児がとても好きなようだから。今、アラクネの収容室には二十六体もの幼児がある。幼児だったもの、アラクネが糸でぐるぐる巻きにした死体が。

 新しい幼児は用意してある。しかしまあ、実験のたびに幼児が必要になるのはちょっと面倒臭いな。こいつが利用価値のある存在だと良いんだけど。

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ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
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ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月14日 19時

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