番外編〜カナメとフォビア〜 ページ3
「カナメ!ねえカナメー!」
研究成果を手に、庭を駆ける。多分、アタシの顔、すごい事になってると思うわ。隈は真っ黒だし、目が充血しているし。興奮しているから、もしかすると、瞳孔も開きっぱなしなのかも。すれ違ったルーククンが、アタシの顔見て半泣きになってた。後で追い掛けて遊び倒しましょう。
それよりも!カナメどこ?!カナメー!ねえカナメってばー!どこーっ?!
「科学者サマ、ものすごくうるさい」
「ア、カナメー!」
ちょうど、お花に水やりしていたところだったらしく、片手にはじょうろを持っている。緩慢で気怠げな動きで、彼女は振り向いた。その拍子に、長い白銀の三つ編みが、ふわりと揺れる。
「あのネ、ちょっと良い研究できチャッタノ!だからネ、カナメにプレゼントがあるのヨー!」
「ほう」
言って、ポケットを探る。目当てのものはすぐに見つかった。ひんやりとした何かが、指先に感じられる。つまんで、引っ張り出す。
「……それは?」
アタシのポケットに入っていたのは、ピンク色をした、可愛い小瓶。ほんのり、お菓子みたいな甘い匂いもする。女の子が好きないろんなものが詰まった小瓶。しかも、それだけじゃありません!
アタシが考えたのは、カナメの体質の事だった。日光を浴びると、皮膚が赤く爛れる体質。
ここからは仮説になるんだけど……彼女は多分、紫外線アレルギーだと思うの。別名、日光アレルギー。太陽光の紫外線により、アレルギー反応を起こす。彼女の場合、それが非常に顕著なのではないのかと考えたわ。
もしかすると、違うのかもしれなかった。むしろ、アレルギー以外の理由である確率の方が高いとも思っていたわ。月人特有の遺伝子病とか、そんなの。
けれど、アタシは彼女に、何か恩返しがしたかったの。
あの日、彼女はアタシを助けてくれた。彼女の言葉に、少し救われた気がしたの。だから、何かやれる事をやりたかった。例え、それが的外れなものであろうとも。
小瓶の中身は、特殊改造した日焼け止め。
番傘をさしても、全ての紫外線をカットできるわけじゃない。上空からの紫外線をカットできたとしても、地表面から反射された紫外線は?彼女の様子を見る限り、そっちの方は特に問題ないみたいだったけど、それでも。
「え、えっとネ、カナメ、日光苦手でショ?番傘もあるケド、良かったラ、使ってホシイナ」
うつむきながら、言う。
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ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» あら。そうでしたか…。 今からマイボードにご相談したい話をしますので、ちょっと待って下さいね!! (2019年12月8日 22時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ごめんなさいぐうたら猫さん……見当たりませんorz (2019年12月7日 10時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさん» ミクミキさんの方です。 マイボードってメッセージが来たよって報告の機能がないからか、なかなか気付いてもらえないんですよね…。 (2019年12月7日 2時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ぐうたら猫さん» ぐうたら猫さんのボードですか?それとも私のボードですか? (2019年12月6日 22時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ぐうたら猫(プロフ) - ミクミキさんこんばんは! ミクミキさんにご相談があるのですが、マイボードを見てもらっても良いですか? (2019年12月6日 21時) (携帯から) (レス) id: e6816c78e0 (このIDを非表示/違反報告)
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